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伊藤園がなぜイノベーション支援をしているのか?

連載
大手に訊くスタートアップ支援の狙い

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いざ、アメリカ武者修行へ!

 茶ッカソンの誕生秘話に入る前に、そこへとつながる角野氏の“アメリカ武者修行”時代を振り返ることにしよう。2005年、角野氏は伊藤園の海外研修制度に公募してニューヨークに一年間赴任となる。世界でビジネスを手がける将来の人材育成を目的としたこの制度。

 研修とはいえ角野氏に与えられたミッションは、現地での飛び込み営業だった。前日に渡米したばかりで右も左もわからない角野氏だったが、『お~いお茶』や現地ブランドの『TEAS' TEA』などを鞄いっぱいに詰め込んで、マンハッタン地区に多い個人経営の商店を訪ねて回ったのだった。

 営業スタイルは、日本で培ったルートセールスのそれそのままだ。角野氏は、まだ片言の英語で店の主人に声をかける。

「Hi! I am from ITOEN, Number1 japanese tea company!!」

「多くの場合、最初はビジネスマンには見られず学生だと思われました(笑)。いやいや、自分は日本から来た営業マンで、日本の無糖のお茶をアメリカに広めようとしてるんだと訴えるうちに、段々と仲良くなっていったんです」と角野氏は言う。

 足繁く通って密に接しているうちに、店長にも気に入られて店頭に商品を置いてもらえるようになっていった。

 1年間の武者修行を経て本社に戻った角野氏だったが、3年を経た2008年、今度は伊藤園の米国現地法人であるITO EN(North America)INC.のサンフランシスコ拠点への赴任が命じられたのである。

「アメリカ西海岸への販売強化のためということで、ニューヨークでの営業がうまくいったおまえが行って来いということでした」(角野氏)

 現地では当初、先輩社員と2人で活動をしていたが、間もなくして角野氏がひとりで西海岸地域の営業を担当することとなる。

 はたしてシリコンバレーでどのように『お~いお茶』が受け入れられ、茶ッカソン開催にまで至ったか。続きは次回。

伊藤園広告宣伝部 角野賢一氏

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