あの名球「WE300B」に似ているという特性
今回のニュースはNutube 6P1のデータシートを公開し、単体のパーツとしての販売が決まったことだろう。3月からサンプルの受付を開始するという。となると気になるのが、単体の真空管としての性能だ。
データシートのダウンロードやサンプルの問合せは、Nutubeの専用サイトから。
―― 単体のパーツで使う場合のコスト的なメリットはありますか?
遠山 Nutubeがすごく安いかというと、そういうわけではないです。でも日頃、真空管を買ったら壊れていたとか、使っているうちに熱が出るとか、いろいろあるんですけど、さすがにノリタケさんで造っているメイドインジャパンの製品ですので、そういう心配はありません。
―― いい特性が出ているということですが、ウエスタン・エレクトリックの300Bに近いという話を聞いています。
三枝 真空管としての形状はまったく違うし、目的も違いますよね。でも、特性の曲線はかなり似ています。
遠山 同じ三極管でも、普通は電圧が高くなってくると、I-V曲線(電流-電圧特性)は寝ていっちゃうんですが、それが等間隔に並んでいる。等間隔に並ぶということはリニアリティーに優れているということです。ただ、特性は似ているんですが、Nutubeはプリ管なので、その特性を活かしながら出力を出す工夫がいります。
―― Nutubeはパワー管にはならないということですか?
遠山 Nutubeを開発した意図は低消費電力で、熱も発生しない、それを活かせるところでやろうということなので。結局、電流を流さないとパワーは出ないですから。将来的には大きく構造を変えて、低消費電力のパワー管ができるかもしれませんが。
三枝 それに熱がどうしてもね。電圧や電流の絶対的な値が違いますから。なにか工夫して、300Bの差し替えモジュールのようなものは作れるかもしれないですけど。
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