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春のヘッドフォン祭 2016 第5回

ラズパイ魔改造からNutubeまで、きらりと光る展示

世界初の同軸ハイブリッドイヤフォン「DM200H」は高コスパ

2016年04月30日 00時05分更新

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中野サンプラザで4月29日と30日の2日間開催中の“春のヘッドフォン祭 2016”。ここでは会場を歩いていて、気になった製品や展示を紹介する。ちなみに独断と偏見でのセレクトとなる。

価格と音質のバランスが絶妙な注目株

 サエクのブースで見つけた、近日発売予定のイヤフォン「DM200H」は世界初をうたう“一体型同軸ハイブリッドイヤホン”だ。Dynamic Motionは、大手メーカーのOEMなどで活躍している韓国メーカーで、ダイナミック型イヤフォンにこだわっているブランドだったと思うが、今回はBA/ダイナミックのハイブリッド型。

DM200H

 ダイナミックドライバーとBA型ドライバーの両方を内蔵する、ハイブリッド型のイヤフォンは増えているが、DM200Hの特徴としてはこれを同軸上に配置している点がある。

これがドライバー。小さい。中央がBA型ドライバー。

 効率よくスペースを使える(イヤフォン全体を小型化できる)とともに、位相の揃った再生ができるという触れ込みだ。ダイナミックドライバーの真ん中に特殊な穴を開け、これを“Bulls Eye”と呼んでいる。BA型ドライバーは高域を担当するが、これによりスペース面での制約や干渉による悪影響なく、BA型ドライバーの性能を引き出せるという。

 実際に聴いてみたが、まず感じたのはボーカルの帯域の滑らかさと質感表現の巧みさ。ダイナミックドライバーが担当する、低域とのつながりもよく違和感を感じない。価格的には2万円台後半を想定しているとのことだが、コストと音質のバランスを考えてもなかなかいい線を狙っている機種に感じる。印象に残った製品だった。

Nutubeのレトロで未来的なビジュアルに心奪われる

 実際に音を聴いていないのだが、気になったのがコルグブースで展示されていた「Nutube」採用のオーディオ用ハイブリッド・パワーアンプ試作機。というか、隣にあったNutube製の“光るピラミッド”のインパクトが結構あった。Nutubeは何度か取り上げているが、真空管特有の豊かな音を持ちながら、省電力化や小型化を実現できる点が特徴。ノリタケカンパニーリミテドとコルグの共同開発したもの。

Nutube使用の試作機

コルグのピラミッド

近づくとカッコいい

 レトロなサイドウッド付きの筐体から、ほんのりと光るNutubeの光は、真空管のようで未来的でもある。そんな演出感のある製品だった。

ラズパイとDDFAアンプでPC内蔵USB DACを魔改造

 デノンのブースの隣りに目をやると、見慣れた人が。媒体でもおなじみの筆者・海上忍さんが「PMA-50」を改造した怪しい(失礼)システムを展示していた。

I2S入力可能な「PMA-50改」。ラズパイが上についてる。

 聴けば、最近はやりの「Rasberry Pi」とPMA-50のデジタルアンプ(DDFA)部分をI2Sというバス経由で直結して“素のDDFA”、“PCMの生音”を体験できるとのことだ。

 ちなみに“PMA-50へのI2S入力”を実現するために実現のためには結構無茶なことをしたそうで、以下のような回答をもらいました。

 「以前PMA-50を取材したときに、基板上に(DDFAの近くに)I2Sらしき端子があることを確認していました。そこで結線すればイケるんじゃない? と単純に考えていましたが、実際には……DDFAはAdvanced AL32 Processingを行う基板とI2Sで常に通信しますが、基板の取り外しを想定していない構造のため、その信号線にリーチすることが非常に困難なのです。この信号線を排除しないかぎり、外部からのI2S入力は不可能です。そこで、信号線を切断し、小さな変換基板を使い外部入力用ケーブルに分岐させるという荒技を繰り出しました。分岐ケーブルを使うかどうかのスイッチも、内部に設けています」

さりげない電源スイッチに苦労の跡が

ラズパイ上ではウェブサーバーが動いているので、スマホとかで操作できる。

 USB DACはPCと接続して使うものだが、音だけ聞きたいというのなら余計なものがたくさんついているのもPC。言うてしまえば、DACにPCを内蔵してしまいました的のノリで非常に面白い。なんとなく男心くすぐられます。

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