注目すべき傾向
こうしてみると、ナデラCEO体制になって、新たな方針に基づき数多くの製品が登場しているのがわかる。だが、ひとつ注目すべき傾向がある。
それは、相次ぐ製品発表において、ナデラCEOは製品に関する説明やデスモトレーションは、なんら行なっていないということである。
この1年間のナデラCEOの動きを振り返ってみると、製品発表の場に出席したとしても、担当役員などが製品に関して説明しており、ナデラCEOが自らデモストレーションすることはない。
強いて挙げるとすれば、2014年7月に米ワシントンD.C.で開催されたワールドワイドパートナーカンファレンスにおいて、異なる言語を話す人同士が自動翻訳により直接会話できる「Skypeトランスレータ」の技術を説明する際くらいだろう。開発者との軽快なやりとりを通じてデモストレーションに立ち会い、その技術メリットを紹介している。だが、これはあくまでも技術開発の段階のものであり、製品の発表とは異なるものだ。
ゲイツ氏やバルマー氏が、製品デモストレーションの場に立ち会い、ときには自らが製品をデモストレーションしていたのとは手法が大きく異なるといっていい。
そして、その一方で、セールスフォース・ドットコムやアドビシステムズとの提携においては、自らが出向いて提携先のCEOと握手したり、イベントに登壇したりなど勢力に活動していた点も興味深い。
実は、米マイクロソフトが提供する公式写真において、ナデラCEOが製品ブランドのロゴとともに写っている写真は一枚もない。そのかわり、ビジョンが描かれたものやパートナーとの握手といった写真は数多い。
ここからも、ナデラCEOがこの1年にどんな姿勢で取り組んできたのかがわかる。
この連載の記事
-
第215回
PC
「クリエイティブ」に向かうWindows 10とSurfaceファミリー -
第214回
PC
日本企業の変革を象徴、世界最大規模の「Office 365」大型導入 -
第213回
PC
資生堂、オンライン会議中の顔を美しく見せる「Tele Beauty」を開発 -
第212回
PC
女子高生AI“りんな”は母親思いのカープ女子!? 自分の子供より返事が多いというユーザーも -
第211回
PC
Office 365が3ヵ月無料試用OK、セットアップも支援 - 働き方改革週間締め切りは9月30日 -
第210回
PC
Windows 10企業導入の障害は、WaaS(Windows as a Service)と180日ルール -
第209回
PC
アクア、DMG森精機 - IoTの協業発表が相次ぐ日本マイクロソフト -
第208回
PC
MS SQL Server 2016は、オラクルの牙城をいかに崩すか、PostgreSQLにどう対抗していくのか -
第207回
PC
起死回生の製品になるか? 「Microsoft Dynamics 365」 -
第206回
PC
2096名で挑む大規模ライフハック! - 日本マイクロソフトが掲げる”本来”のテレワーク -
第205回
PC
日本MSが開催イベント名称・内容を再編 - グローバルイベントとの名称統合を実現してほしい - この連載の一覧へ