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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情第239回

半導体プロセスまるわかり インテルから学ぶプロセスの歴史

2014年02月10日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/

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プロセスノードの定義は
ITRSに大きく関係する

 話を戻すと、「P646」はCMOSを利用した1.5μmのプロセスである。この後もインテルはBiCMOS(バイポーラ+CMOS)を部分的に使ったりはしたものの、基本的にはCMOSに磨きをかける方向を選択しており、もうPMOSやHMOSはこの後出現しなくなる。その意味でもこの「P646」というプロセスは大きな転換点と言えるかも知れない。

 もっともインテルは、これをすっきり移行できたわけではない。これは1985年に、「P646」とは別にCHMOS IVベースの1μmプロセスが並んでいることからもわかる。実際「i386DX/SX」は様々なプロセスが入り乱れており、以下のようになっていたようだ。

プロセッサー プロセス
i386DX-16/20/25 1.5μm CHMOS III(P646)
i386DX-16 IV/20 IV/25 IV 1μm CHMOS IV
i386SX-16/20/25 1μm CHMOS IV
i386SX-33 1μm CMOS(P648)

 ちなみにこの1.5μm CHMOS IIIが事実上の「P646」だった模様である。では1982年の1.5μmはというと、CHMOS IIのようだ。過渡期にはこうした問題は付きものであり、それでもなんとかこの混乱を抜け、以後はP650以降に向けて微細化とトランジスタの改良に励んでいく。

32ビットCPU「i386DX」。画像はWikimedia Commonsより(http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Ic-photo-intel-A80386DX-33-IV-(386DX).png)

 この時期のインテルは、プロセスの改良とともに、あまり目立たないがその後に大きな影響を及ぼす動きをしている。それはSIA(Semiconductor Industry Association)の中でNTRS(National Technology Roadmap for Semiconductors)を作成するのに大きな協力をしたことだ。

 最初のNTRSは1993年にリリースされ、以後定期的に改定されていく。そして1998年にはアメリカだけでなくヨーロッパや日本、韓国/台湾を含めた国際的なロードマップを作る組織としてITRS関連リンク)が設立され、ここの出すロードマップがその後の半導体業界を牽引することになった。

 今回も説明もなしに「プロセスノード」という言葉を使い、読者の方もなんとなくわかった気でいるかもしれないが、このプロセスノードの定義はITRSに大きく関係している。そしてインテルのプロセスは、「P650」以降きっちりとこのITRSに従う形で微細化をしていく。

 次回はこのITRSの話をしつつ、「半導体業界の華々しい日々」をもう少し説明していこう。

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