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ソニーが本気で参入してきたハイレゾオーディオの世界! 第2回

ハイレゾ対応ウォークマン発表!その実力を最速でチェック!

2013年09月25日 13時10分更新

文● 鳥居一豊

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自宅の防音室でPCM-D100のナマ録に挑戦!

自宅の防音室にチェロ奏者を招いて録音。試聴してみた

自宅の防音室にチェロ奏者を招いて録音。試聴してみた

 このPCM-D100を使い、生録とDSD音源の再生でその実力を試してみた。生録では、チェロを演奏する知人を自宅の防音室に招き、演奏してもらった。

 その音は、実にリアルで生っぽい再現だ。チェロの胴鳴りを含む低音の響きもしっかりと録れているし、高音域の音色の艶も生々しい。我が家の防音室はまだ出来たてで、演奏をしてもらった前方の音響はそこそこ落ち着いたが、部屋の後ろ側にはやや不要な響きが残っており、今後の改善を考えているのだが、そんな部屋の音響特性までそのままに再現している。

 部屋の音響に左右されないように、ヘッドフォンで確認してみてもどうも自分の後ろ側で中~高音域にピークのある響きが残っている。ステレオ録音でありながらバイノーラル的な音場感まで再現する実力が恐ろしい。

 知人も自分の出す音の正直さには驚いていたようで(演奏しながら気になった部分がそのまま記録されていて恥ずかしいとか)、自分が演奏を行なうホールなどでも録音してみたいと興味津々だった。

 今度はリニアPCM録音でS/N 100dB録音を試してみた。そこそこに強化された床を持つ防音室なのだが、録音開始直後の自分の足音まで拾っていた。もちろん、演奏が始まる前に知人が大きく息を吸い込む音まで入っており、これまで恐ろしい静寂感の再現に驚かされた。

 全体的な音質としては、リニアPCMの方が輪郭がキリっと立ったキレ味のいい再現で、DSDの方が滑らかできめ細かい音という違いがあるが、知人によればDSDの方は丸裸にされたような恥ずかしさを感じるリアルさがあり、リニアPCMは自分でしていた録音も含めて聴き慣れた感触でこちらの方が誰かに聴いてもらう音としてはお薦めしやすいとのことだ。

 そして、購入したDSD音源も聴いてみた。女性のギター弾き語りだが、F880シリーズで聴いたときと比べ、よりしなやかで自然な再現と感じた。空気感や音の粒立ちがきめ細やかで、音の厚みやエネルギー感も十分だが、それ以上に自然で繊細な表情がよく伝わるバランスだ。見た目のゴツい印象とは裏腹になかなか女性的でなめらかな音と感じた。

 ハイレゾ録音・再生が可能なポータブル機器ということで、ウォークマンとは異なるものの、アウトドア派にはなかなか見逃せない製品と思う。外出先でもDSD再生ができるというだけなく、生録も好きな筆者にはウォークマン以上に気になる製品だ。

iTunesに先んじてハイレゾ対応!!
ウォークマンの快進撃が始まるか!?

 一部では噂のあったiPhone 5s/5cのハイレゾ対応も見送りとなったようで、携帯プレーヤーのハイレゾ対応という点ではウォークマン勢が先んじた結果となった。

 しかも、PCM/DSDレコーダーやヘッドフォンアンプ、ICレコーダーなど、関連するアイテムも一気にハイレゾ対応モデルを投入してきたのは、総合メーカーであるソニーならでは。ポータブル機器によるハイレゾ再生がどうなるかは気になるところだが、音質にこだわる人にとってウォークマンが一層魅力を高めたのは間違いのないところ。今秋から年末に向けた商戦では、ソニーが台風の目となるだろう。

 そして、冒頭のIFA 2013の発表でもわかる通り、ソニーのハイレゾ攻勢はこれだけでは終わらない! ソニーの本気のハイレゾ製品群の登場を楽しみに待っていてほしい。

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