時代は“カジュアルなポータブルオーディオ”から
“音質至上主義”の復活へ!
近ごろ、ポータブルオーディオを選ぶ際に「音を重視する」という声をよく聞くようになった。
スマートフォン単独では難しい“ハイレゾ音源”の再生環境として見ているのか、スマホのオーディオプレーヤー部分を独立させることが目的ゆえに音質重視で、ということなのか、理由はいくつか考えられるが、小型軽量化をやり尽くした感のあるデバイスなだけに音への回帰は注目すべき現象といえる。
デジタルオーディオが普及してからというもの、いわゆるポータブルオーディオの評価軸は大きく変化した。
カセットテープの時代はワウフラッター(回転ムラ)などメカニカルな部分が少なからず評価対象とされていたが、メディアとしてMDの存在感が高まるとコーデックの優劣というソフトウェアの部分が注目されるようになった。
そしてiPodの登場以降、PCとの連携の容易さやデザインが重視されるようになる。その流れがスマホのオーディオプレーヤー機能にも引き継がれていることは確かだろう。
2013年末に発売されたウォークマンのフラッグシップ機「NW-ZX1」は、音質回帰を企図したモデルとして特筆すべき存在だ。実際、実売で7万5000円という高価格ながら、年末には店頭に在庫がなくなるほどの人気ぶりで、つい最近まで大手量販店では在庫不足が続いていた。
同社が有する高音質技術をふんだんに投入し、音質至上主義ともいえる路線を明確に打ち出した。Androidの採用によりアプリを追加できるなど、スマートフォンライクな楽しみ方も用意されているが、本機のアイデンティティーはそこにない。
本特集では、3回にわたりNW-ZX1ならではの「音」に迫りたい。一般的なポータブルオーディオ/スマートフォンとの違いを際立たせるため、iPhone 5sと対比させつつ、その音へのこだわりを解き明かしていこう。

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