現在のオーディオ界で巻き起こっているひとつのトレンド、それが「ハイレゾ音源」。話題を集めているPCオーディオやネットワークオーディオも、言ってしまえば「ハイレゾ音源を再生するための手法である」と言っていいだろう。
CDを超える情報量を持つハイレゾ音源の再生について、今回は基礎から実際に再生する方法まで詳しく紹介していきたい。
ハイレゾの仕組みは4Kテレビがきれいに見えるのと同じ
ハイレゾ音源とは、一般的には「CD以上の情報量を持つ音源データ」と定義されている。CDの解説記事などを見ると「44.1kHz/16bit」と表記されていると思うが、これはデジタル記録が可能な音を定義したものでもある。
44.1kHzは「サンプリング周波数」と呼ばれるもので、音の高低の幅を規定する。サンプリング周波数のおよそ1/2までの周波数を記録できる。CDの場合は20Hz~20kHzとなっていて、これは人間の耳の可聴帯域を元に決めたものとされる。
16bitは「量子化ビット数」と呼ばれるもので音の大小の幅のこと。数値が大きくなるほど大きな音量が出るというよりも、小さな音量が再現できるようになると考えた方がわかりやすい。音量そのものはアンプなどでいくらでも大きくできるわけで、情報量が増えるわけではないからだ。今までは再現できなかった小さい音まで記録/再生できるようになるとなれば、情報量が増えたと言える。
これに対し、ハイレゾ音源の場合は、96kHz/24bitや192kHz/24bitなどの音源が提供されている。96kHzで48kHzまで、192kHzで96kHzまでの高域再生が可能になるし、音の大小の幅(というよりも音の音量の細かさ)が16bit(65536)から24bit(16777216)まで細かくなる。
「リニアPCM」と呼ばれるデジタル符号化方式は、横軸をサンプリング周波数、縦軸を量子化ビット数としたグラフに音楽信号を写し取るような仕組みだ。だから、量子化ビット数やサンプリング周波数が増えるほど、グラフのマス目は細かくなりより正確に音楽信号を写し取れるようになる。
つまり、マス目が細かくなる=ハイレゾリューション(高解像度)、略してハイレゾというわけだ。
もう少し分かりやすく言い換えると、映像の世界で話題の4Kテレビと仕組みとしては近いものがある。4Kテレビは表示パネルの画素数をフルHDの4倍の3840×2160ドットと細かく(高解像度化)したもので、価格が高かったり、4Kソフトがないという問題はさておき、映像の美しさが圧倒的に違うことは誰にでもわかるはず。
それと同じことを音の世界でもやったと言えば違いがわかるだろうか。
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