歴代ウォークマンの多くにはイヤホンが付属しているが、NW-ZX1には付属しない。ユーザーが好みで選べるように、あえて付属を見送っているのだ。
音質最重視で設計されたNW-ZX1に見合うヘッドホン/イヤホンともなれば、コストの制約を伴う付属品では対応しきれない、そんな現実的判断もあったことだろう。ともあれ、NW-ZX1で音を聴くには、ヘッドホン/イヤホン選びという楽しい作業がもれなく付いてくる。
今回は、ポータブルオーディオのハイエンドたるNW-ZX1で使うにふさわしいヘッドホン/イヤホン7種類をピックアップ。オーバーヘッドにインナーイヤー、開放型に密閉型、バランスドアーマチュア(BA)にダイナミック……といろいろな形状や駆動方式をとりあわせ、実際に利用するときの注意点を交えつつ試聴インプレッションを進めていきたい。
女性ボーカルの曲が聴きやすい
オーディオテクニカ「ATH-AD2000X」
適度な側圧と3Dウイングサポートが良好な装着感を生み出す、開放型オーバーヘッドホン。
若干低域に量感を持たせた音づくりで、粒立ちよく解像感もあるが、音の広がりは抑制的な印象。柔らかな音色はウォーミーで心地よく、開放型であることも相まって長時間聴いても疲れにくい。
バンド系の音はもう少し迫力があってもいいが、ボーカルもの(特に女性)はなめらかで聴きやすい。
音漏れが大きい開放型ということもあり、気兼ねなく利用できるシチュエーションは限られるが、十分ハイレゾ対応を名乗れる周波数特性の広さもあり、NW-ZX1との相性は良好と言っていいだろう。
15万円のフラッグシップヘッドフォン
「AKG K812」
オーストリアはAKGのフラッグシップモデルとなる開放型オーバーヘッドホン。国内ではヒビノが2月14日に発売。立派な木製ヘッドホンスタンドが付属する。
53mmダイナミックドライバーはキレがよく、音の輪郭が眼前に浮かぶよう。微細な信号も正確にキレよく再現し、広がりのいい自然な音場感を楽しめる。
周波数特性もワイドで、広帯域で高密度なハイレゾ音源の信号も余裕でこなす。インピーダンスは36Ωと低めで、NW-ZX1でも十分ドライブできる。

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