聴き比べ……の前に試聴条件を確認
前回予告したとおり、今回はウォークマン「NW-ZX1」とiPhone 5sで音の聴き比べをしてみる。では早速……といきたいところだが、事はそう単純ではない。
聴き比べには同一の音源を用いることが必須条件といえるが、ハードウェアとしてのiPhone 5sが対応する音源は事実上、CD品質の44.1kHz/16bitが上限(48kHz/24bitも再生可能だがiTunesのエンコーダーが対応していないこともあり、ここでは考慮しない)。96kHz/24bitなど、それを上回る情報量の音源を再生しても44.1kHz/16bitに“丸められて”しまう。
かといって、NW-ZX1でも44.1kHz/16bitに水準を合わせれば、最大192kHz/24bitの再生が可能というせっかくのポテンシャルを生かせない。
そこで本稿では、NW-ZX1ネイティブの再生能力に照準をあわせ、96kHz/24bitなどハイレゾ音源(WAV/FLAC)を基本としつつ、iPhone 5sではそれを44.1kHz/16bit(WAV)にダウンサンプリングしたものを再生することにした。
アップル to アップルでの比較が難しい以上、ハイレゾ vs CD品質を軸に比較せざるをえないが、どれだけの違いが感じられるのか(あるいは差がない?)がポイントだ。
再生に使うオーディオプレーヤーアプリはそれぞれシステム標準のものを利用。NW-ZX1は「W.ミュージック」、iPhone 5sは「ミュージック」となる。
ヘッドホンには、エントリー価格帯ながらバリモーション・テクノロジーなど上位機と同等の機構を採用した「AKG K612 PRO」(実売1万7000円前後)をチョイス。120Ωとインピーダンスは高めだが、開放型かつモニターライクな音の傾向があることからあえて選択している。
というわけで、次ページから聴き比べの結果を紹介する。曲ジャンルは、アコースティック楽器、クラシック、女性ボーカル、クラブ系音楽の4曲だ。
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