使い方次第で選択肢が広がる高速通信サービス
本特集第1回(関連記事)は、主要キャリアのモバイルデータ通信サービスを紹介した。第2回である今回は、その他のモバイルデータ通信サービスを紹介していく。
近年の動きとして、キャリアのネットワークを利用して独自の料金やサービス内容を展開する事業者が増えている。「MVNO」(Mobile Virtual Network Operator、仮想移動体通信事業者)と呼ばれ、その代表格は日本通信の「b-mobile」。速度制限付きの代わりにお得な料金のSIMカードや、Xi対応のものなどをラインナップしている。
さて、これから紹介していくモバイルデータ通信サービスの大半は、SIMのみを提供するものが中心だ。ドコモのネットワークを利用しているSIMは、ドコモの端末やSIMフリー端末で利用可能である。
いくつか注意点はあるものの、データ通信だけを考えると、使い方次第で主要キャリアよりも料金は安く済むし、プリペイド式のSIMも用意されているため、用途に応じての予算調整が容易だ。
まずは使用する通信網をチェック!
ここからは、ウィルコムの「ULTRA SPEED」、「b-mobile」、「So-net モバイル 3G」「IIJmio」「hi-ho」の各サービスを紹介していくが、いずれも独自の通信網を用意しているのではなく、ウィルコムはソフトバンクのULTRA SPEED、b-mobileやSo-net、IIJmoiはドコモのFOMAやXi、hi-hoはイー・モバイルのLTE回線を使用しているため、サービスエリアについては該当するキャリアのネットワークから対応エリアを調べる必要がある。なお主要キャリアのデータ通信については第1回を参考にしてほしい(関連記事)。
・モバイルデータ通信サービス業者が使用する通信網
事業者 | 使用通信網 |
---|---|
ウィルコム | SoftBank ULTRA SPEDD |
b-mobile | ドコモ FOMA、Xi |
IIJモバイル | ドコモ Xi |
So-net | ドコモ FOMA |
Hi-ho | イー・モバイルLTE |
ウィルコムは
「ULTRA SPEED」のルーターとPHS+ルーターを用意
まずウィルコムは、昨年に発売されたモバイルルーター「007Z」と、PHS+ルーターの「WX02S PORTUS」(関連記事)を用意している。回線はソフトバンクのULTRA SPEEDで、下り最大42Mbps/上り最大5.7Mbps。iPhoneが使用していない1.5GHz帯を使用しているため、通信速度は良好。イー・モバイル網の「サブエリア」も利用できる。そのスコアは次回の第3回でチェックしてもらいたい。
「007Z」の料金体系はわかりやすく、2年契約が前提の「3Gデータ定額(S)」で月3880円(キャンペーン価格)。端末はウィルコムストアでの価格が1400円×24ヵ月だが、W-VALUE割引1400円が最大24ヵ月なので実質0円。維持費としては月額3880円と考えるだけでいい。
なお、前々月の月間パケット通信量が3000万パケット(約3.6GB)を超えたユーザーには、一時的に通信速度制限がかかる可能性があるとしている(サブエリアについては異なる制限が適用される)。
モバイルルーターの機能を一体化したPHS「WX02S PORTUS」は、3年契約が前提の「ウィルコムプランW」で、やはり月3880円。ただし、こちらはイー・モバイル網のサブエリアは利用できない。通信量による制限は007Zと同様。
ウィルコムプランWには、この3880円にPHSとしての基本使用料も含まれており、PHS宛の通話は24時間無料になるほか、オプションの「だれとでも定額」(月980円)を追加すれば、他キャリアや固定電話などの国内通話が10分間/月500回まで定額になる。
端末料金はウィルコムストアで1480円×24回=3万5520円、W-VALUE割引の980円が最大24ヵ月適用されるので、端末の価格は実質1万2000円。つまり、割賦の端末代金を含めた料金は月4380円になる。さらに「だれとでも定額」を追加した場合は月5360円だ。
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