通信速度が100~200kbps程度に限定されるものの、月1000円を下回る料金で利用できるデータ通信専用の激安SIMが最近話題になっている。料金・サービスの競争が激しくなっているのが、盛り上がりの最大の要因だが、どんな環境で使えるのか、どんな製品があるのか、よくわかっていない人も多いはず。
今回はそんな月1000円以下のデータ通信SIMについての基本的な疑問を、Q&A形式で解説する。
Q1 具体的なサービスはどんなものがあるの?
A1 月980円から、さらに下の料金での争いに発展。速度制限解除オプションの料金にも注目したい
まずは下の表を参照いただきたい。
b-mobileSIM[イオン専用] プランXA | IIJmio ミニマムスタート128プラン | hi-ho LTE typeD | BB.exciteモバイルLTE 0Mコース | DTI ServersMan SIM 3G 100 | |
---|---|---|---|---|---|
ネットワーク | Xi/FOMA | Xi/FOMA | Xi/FOMA | Xi/FOMA | FOMA |
通信速度 | 100kbps | 128kbps | 128kbps | 128kbps | 100kbps |
月額料金 | 980円 | 945円 | 980円(または1万500円/年) | 787円 | 490円 |
初期費用 | 3150円 | 3150円 | 3150円 | 4410円 | 3150円 |
SIMサイズ |
標準 /microSIM |
標準 /microSIM |
標準 /microSIM |
標準 /microSIM |
標準 |
速度制限解除 オプション |
525円 /100MB |
525円 /100MB |
472.5円 /100MB |
525円 /100MB |
263円 /100MB |
最低利用期間 | なし | 2ヵ月 | 1年 | 2ヵ月 | なし |
一番安価なのはDTIの「ServersMan SIM 3G 100」。速度は100kbpsでFOMAのみの対応、SIMも標準サイズしか用意されていないが、月490円という料金が魅力。
また各社で注目したいのは速度制限解除のオプション。100MBで525円がIIJmioとイオンSIM。Xiの高速データ通信も可能なので、ここぞというときに利用するといいだろう。
月額料金のほかに契約時に3000~4000円程度の事務手数料が必要となる。これはSIM発行に要するコストなので仕方ないところ。ただ、今回紹介したサービスは2年契約のような長期の“縛り”はないものが多い。この点は携帯キャリアが提供しているサービスに対して、魅力的な要素と言えるだろう。
なお、上記5つのサービスとも料金の支払いにはクレジットカードが必須となっている。
Q2 どうしてこんなに安いの? MVNOとはどういう意味?
A2 自社のネットワークを持たずに、携帯キャリアから回線を借りて提供している。サービス内容を工夫することで料金を安価にした
MVNOとは仮想移動体通信事業者とも呼ばれ、他社から携帯電話のネットワークを借り受け、自社ブランドで提供している事業者を指している。MVNOとしてサービスを提供している、代表的な企業として日本通信やIIJが挙げられる。
他社にネットワークを貸している側の携帯事業者としては、UQコミュニケーションズやイー・モバイルなどがあるが、月1000円以下のデータ通信SIMはNTTドコモの回線を用いている。
MVNOは帯域単位でネットワークを仕入れ、各社が知恵をこらしたメニューを用意してユーザーに販売することで、元の携帯事業者のサービスにはない独自性とお得感のある料金を実現しているわけだ。
なお、ドコモのネットワークを利用しているサービスの場合、カバーしているエリアも基本的にドコモと同様。月1000円以下の激安SIMでも、日本全国で利用できるのは大きなメリットと言える。
