これだけ増えたモバイルデータ通信端末
5年ほど前までモバイルによるデータ通信はパソコンにUSBの端末を接続するというものが多く、あまり一般的なものではなかった。また、テザリングに対応したスマートフォンもほとんどなかった。もちろん、データ通信速度が遅かったのもあるが、近年であれば、3Gデータ通信に加え、さらに高速なLTEやWiMAXの登場もあり、とても快適なネットライフをどこでも満喫できるようになった。
いろいろと選択肢が増えたぶん、「どう選べばいいのか」と迷っているも多くいるかと思う。そこで計3回の特集として、それぞれのサービスの概要や料金、長所や弱点などをチェックしていきたい。第1回は、ドコモ、au、ソフトバンク、イー・モバイル、UQコミュニケーションズといった主要キャリアのデータ通信サービスと端末をまとめて紹介する。
まずは現在主流の通信規格のおさらいから
現在提供されているモバイルデータ通信は、大きく分けると3G系、LTE、それからWiMAXがある。LTEは「Long Term Evolution」の略で、現在携帯電話で主流の3G系の技術を発展させたもので、より高速なデータ通信ができる。LTEに対応した端末は同時に3G系にも対応しているのが一般的で、全国レベルのエリアがある3G系と、高速なLTEの両方が使えるようになっている。
WiMAXはどちらかといえば、パソコンの世界から発展してきた技術だ。UQコミュニケーションズがインフラを構築しており、同社の「UQ WiMAX」だけではなく、いろいろな企業がこのネットワークを利用したサービスを提供している。auは同社のスマートフォンやモバイルルーターで、WiMAXと、同社の3GサービスであるCDMA2000を自動で切り替えて利用できる端末を提供しており、上述のLTE+3Gと同じメリットを実現している。
また、最近では「SoftBank 4G」のように4Gという名称を使っているサービスもある。これらは実は厳密な意味では4Gではない(たとえばLTEは3.9Gとされる)。ただ、ITU(国際電気通信連合)がマーケティング用語として、LTEやWiMAX、HSPA+など、3Gデータ通信を発展させたものも「4G」と呼んでもいいよと認めたのだ。SoftBank 4Gも、LTEの一方式であるTDD-LTE(と互換性を持つAXGP)を用いているので、ここに加えられる。
というわけで、今回の特集では、LTE(ドコモ「Xi」、イー・モバイル「EMOBILE LTE」)、AXGP(ソフトバンク「SoftBank 4G」)、WiMAX(UQ WiMAXやauなど)といった、3G世代より、さらに高速となったモバイルデータ通信について順に紹介していく。
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