The Elder Scroll IV: Skyrim
今最も熱いRPGといえば「The Elder Scroll IV: Skyrim」をおいて他にない。DirextX 9ベースのゲームだが、ゲームの面白さにAPIは関係ない。
ここでのテストは、ドライバーおよびiniファイル上で垂直同期を無効化(iPresentInterval=0)した上で、ディテールを「Ultra High」、さらにFXAAを追加し、アンチエイリアスや異方性フィルタリングは最高に設定している。また、解像度1920×1080ピクセルでゲーム開始時の馬車での連行~村へ入るシークエンスを「Fraps」で計測した。
HD 7970の快進撃はここまでという結果になった。全体的にGTX 580の方がよい数値を出しており、しかもHD 6970と7970の間に決定的な差は認められない。iniファイル編集なくしては垂直同期が切れないのが今回試したCatalystにおける制約だったが、今後これがドライバーのバージョンアップ等で改善されることを期待したい。
Final Fantasy XIV
ゲーム系最後として、FF14の公式ベンチマークのスコアーもチェックしてみた。設定は「HIGH」を使用している。
ここでもHD 7970はGTX 580に敗退。HD 6970に対しては明確な差を出せているものの、ベンチ側の最適化の差という壁は破れなかったようだ。
消費電力と熱
それでは肝心の消費電力や熱はどうだろう? 「Watts Up? PRO」を使い、アイドル時およびBattlefield 3テスト時の消費電力を計測してみた。また温度は「GPU-Z」による計測値と、さらにサーミスタ式の温度計をブラケット部の排気口に固定し、排気温度も計測している(室温は約23度)。
まず目を引くのがHD 7970のアイドル時消費電力の異常な低さだ。アイドル時3Wという謳い文句は少々大袈裟としても、GTX 580に対し約20Wも低いというのは大いに評価すべき部分だ。ピーク時に至ってはその差は2倍近くまで拡がっており、HD 7970はワットあたりの性能に関し相当頑張ったことが伺える。ゲーマーにとってはこれだけで買い替えを検討したくなる程の差だ(ゲーム側の対応は別として……)。
発熱もHD 6970よりかなり下がっている。元々HD 6000シリーズは省電力・発熱面でいい成績を残せなかったが、HD 7000シリーズでは低発熱化が期待できる結果となった。
排気温度はGTX 580が異常に低いが、これはテストに使ったASUSTeK「MATRIX GTX 580」がブラケット側に強く排気するデザインではないため。ちなみにリファレンスデザインのGTX 580で試したところ、排気温度はアイドル時37.5度、ピーク時53.3度とダントツに高かった。
あらゆる要素がアップし
新たなRadeonを実感できるGPU
ベンチマークの結果を総合してみると、GeForce GTX 580と比較すると勝ったり負けたりという印象だが、Radeon HD 6970から大きくパフォーマンスアップしているのは明らかだ。
新アーキテクチャー採用かつドライバーができたてほやほやということを考慮すると、今後のドライバー熟成でさらにパフォーマンスが伸びる可能性も高い。ハイエンド志向のユーザーにはかなり魅力的なGPUになるだろう。
また、発熱と消費電力が抑えられていること、特にアイドル時がかなり低い点は見逃せない。節電が求められる今こそ、ありがたみを感じる機能となるはずだ。
高いグラフィックス性能とワットパフォーマンスは、まさに新世代GPUにふさわしいものだ。搭載カードの価格や製品流通量がどれくらいのものになるか不明だが、ハイエンド3Dゲーマーは1月9日の発売日に備え準備する価値があるだろう。
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