サラウンドの迫力はゲーマーに向く
CrystalVoiceはニコ生・実況に?
THXのオーディオ技術を新開発のSound Core3Dプロセッサーで実装したというだけあって、Recon3D Professionalのサラウンドオーディオ機能は、ゲームのオーディオに迫力を加えてくれる。今回はオンボードサウンド機能と切り替えて聞き比べてみたが、その差は歴然としていて、オンボードの貧弱な音には戻れなくなる。オンボードサウンドで妥協していたゲーマーにはお勧めだ。
CrystalVoiceはボイスチャット用を想定した機能ではあるが、前述のように自分の地声を使いたくないという用途なら、何にでも使える。ニコ生の放送でしゃべりを入れたいけれど、自分の地声を使うのはためらうという場合に、リアルタイムでエフェクトをかけられるこの機能は役立つ。生放送に限らず、動画で声を入れる際には全般的に使える。日本ではむしろ、こうしたストリーミング放送ユーザーや動画制作者などに、Recon3Dは人気を呼ぶかもしれない。「ニコ生用にサウンドカードを新調」なんていうのも、悪くない選択だろう。
最新プロセッサーをUSBタイプから導入
サウンドカードのトレンドも変わる?
余談になるが、Recon3Dのラインナップについて少し触れておきたい。今回評価した製品は、デスクトップパソコン向けのオーソドックスな拡張カードである。しかし冒頭でも述べたように、パソコンの主流は今や世界的に見てもノートパソコンとなっている。デスクトップパソコンもディスプレー一体型の製品へとシフトしており、「フタをあけて拡張カードを交換できるパソコン」は少数派になりつつある。
そのうえ拡張カードを装着できるパソコンであっても、マザーボード上にサウンド機能を搭載するのが当たり前。よほど音にこだわる(理由が音質か機能かはともかく)人でもない限り、サウンドカードを買うという人は稀だろう。サウンドカードの老舗であるクリエイティブ社としても、内蔵型サウンドカードだけでは今後の商売が成り立たない。
それもあってか、最新のSound Core3Dプロセッサーを搭載したRecon3Dシリーズの製品で、最初に日本市場に投入されたのはUSBオーディオデバイスの「Sound Blaster Recon3D」だった。しかも対応機器はパソコンだけでなく、プレイステーション3やXbox 360も対象とするなど、幅広いプラットフォームに対応する製品である。
過去にもクリエイティブは、USB接続タイプのサウンドデバイスを製品化していた。しかしUSB版Recon3Dのように、最新プロセッサーを搭載した高性能な製品を、拡張カード版と同時期に投入するのは初めてのことだ。
USB接続タイプであれば、拡張カードが装着できないパソコンにも市場を広げられる。USBも高速なUSB 3.0が普及しつつあるので、仮にUSB 2.0の転送速度に不満が生じても、USB 3.0接続タイプを投入すればいい。おまけに外付けであれば、パソコン内部のノイズに悩まされることもない。今後のパソコン向けサウンドデバイスはUSBタイプが中心になっていくということを、USB版Recon3Dの登場は示しているのかもしれない。
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