パッケージにはカード本体と付属のアレイマイク、ソフトウェアディスクなどが含まれている。米国のプロゲーマー「Fatal1ty」氏(フェイタリティ)の名を冠するProfessionalは、カード上をノイズシールドである「プロテクションシールド」が覆っている。カードの中央は透明アクリル板で中が見えるようになっていて、赤い縁取りのついた同社の最新オーディオプロセッサー「Sound Core3D」のチップが見える。
ちなみに、通電中はシールド内が赤く光る。記者がテストに使っているフルタワー機は、マザーボード上に青や緑の明るいLEDがついている。そのうえRecon3D Professionalが赤く光るものだから、試用中はパソコンの内部が赤青緑の光で満たされるという、実に派手派手な状態になっていた。LANパーティー文化のある米国では、こういうギミックはマニア向け製品には欠かせない……のかもしれない。
ブラケット部分には、5.1チャンネル分のアナログステレオ出力のピンジャック端子が3つと、ヘッドホン専用ピンジャックが1つ、マイク入力が1つ、そして角型光デジタルオーディオ端子が、入出力それぞれ1つずつ用意されている。なおケーブルの類は付属しない。
前モデルに当たる「Sound Blaster X-Fi Titanium」は、ブラケット上に7.1チャンネル分の出力端子を装備していたので、その意味ではスペックダウンと言えないこともない。しかし、7.1チャンネル環境用のスピーカーセットが市場でほとんど見かけない現状を鑑みれば、市場の実態に合わせた妥当な変更だろう。
その代わり、独立した専用ヘッドホン端子はほかのアナログ出力回路とは独立した出力となり、最大でインピーダンスが600Ωのヘッドホンまで駆動可能な出力を備える。ちなみに、ヘッドホンとアナログスピーカーの出力は切替式になっていて(後述するコントロールパネルで切り替える)、「Sound Blaster X-Fi Titanium Fatal1ty Champion」でのフロントI/Oドライブ側ヘッドホンとブラケット側アナログ出力への同時出力のような、ヘッドホンとスピーカーの同時出力はできない。
訂正:同時出力に関する記述を加筆いたしました。(2011年12月16日)
デザインの一新されたコントロールパネル
次にソフトウェア面を見てみよう。X-Fi Titaniumでは大量の付属ソフトがドライバーソフトと共にインストールされて、面食らう要素もあった。Recon3D Professionalではその点も改善(?)されたようで、デフォルトでインストールされるアプリケーションは、真に必要なものだけになっている。デフォルトでインストールされなかったアプリケーションのいくつかは、インストール後に行なわれるソフトウェアアップデートから入手も可能である。
大きく変わったのは、各種設定を変更するコントロールパネル「Sound Blaster Recon3D PCIeコントロールパネル」だ。一新されたデザインは、左に設定のカテゴリーがボタンで並び、右側で各カテゴリーの項目を変更できる。見た目もいいし、わかりやすくなった。
カテゴリーのトップにある「THX TRUESTUDIO PRO」は、バーチャルサラウンド機能のほか、圧縮音源で失われたダイナミックレンジを補正する「Crystalizer」や、映画などで音声を聞き取りやすくする「Dialog Plus」といった、サウンドカードの根幹とも呼べる機能を設定する。サラウンドの効果はかなり強力で、マザーボード上のオンボードサウンド機能とは一線を画す迫力と、正確な音像の位置表現を実現できる。
「スピーカー/ヘッドホン」の項目では、スピーカーとヘッドホンのどちらに出力するかを切り替えるスイッチや、再生テスト機能が用意されている。また「高度な機能」には、「デジタル出力を使ったステレオミックスの再生」というチェックボックスがある。これを有効にすると、光デジタルオーディオ出力とアナログ出力に、同じ音声を同時に出力できる。実はWindows 7/Vistaでは、アナログ出力と光デジタルオーディオ出力への同時出力ができない。光経由で接続したアンプとヘッドホンを共用したい場合に便利な機能だ。
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