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最新パーツ性能チェック 第98回

「Phenom II X6 1075T」「X4 970 BE」「X2 560 BE」の性能は?

2010年09月22日 12時00分更新

文● 宇野 貴教

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 AMDはPhenom IIシリーズ3製品とAthlon IIシリーズ4製品を新たにラインナップに追加した。今回のラインナップ追加は、従来モデルに動作クロックが100MHzまたは200MHz増えた最上位モデルなどを加えて、ラインナップのバリエーションを増やしたものとなっている。

「Phenom II X6 1075T」(3GHz)

「Phenom II X4 970 Black Edition」(3.5GHz)

「Phenom II X2 560 Black Edition」(3.3GHz)

 AMDは年に2~3回のペースで、こうした最上位モデルの動作クロック向上を行なっており、今回も幅広いシリーズで最速モデルが刷新されている。着実な前進を遂げていると言えるだろう。ただし、6コアのPhenom II X6シリーズのみ、既存のPhenom II X6 1090TとPhenom II X6 1055Tの中間にあたるモデルが追加され、最速モデルはこれまで通りのPhenom II 1090Tとなっている。
 今回は新たに追加された、6コアの中位モデル「Phenom II X6 1075T」(3GHz)、4コア最上位「Phenom II X4 970 Black Edition」(3.5GHz)、2コア最上位モデル「Phenom II X2 560 Black Edition」(3.3GHz)についてピックアップして紹介する(以下Black EditionはBEと表記する)。

Phenom II X6は中間モデルの追加

 Phenom II X6 1075T(3.0GHz)は6コアPhenom IIの中間モデル。動作クロックは3.0GHzだが、TurboCORE時は最大3.5GHzまで引き上げられる。Thuban E0リビジョンコアを使用するなど、内部仕様は既存6コアモデルと変わらないが、TurboCORE機能の上げ幅は500MHzと最上位モデルの1090Tよりも100MHz高い。
 Phenom II X4 970 BEは、従来の最上位モデルであるPhenom II X4 965 BEから動作クロックが100MHz増えて3.5GHzになる。それ以外の変更点はなく、コアもDeneb C3リビジョンで変わらない。Phenom II X2 560 BEも既存最上位モデルから動作クロックを100MHz増やし3.3GHzとした製品となる。

CPUスペック表
  Phenom II
X6 1075T
Phenom II
X6 1055T
Phenom II
X4 970 BE
Phenom II
X4 965 BE
Athlon II
X2 560 BE
Athlon II
X2 555 BE
コア数 6 6 4 4 2 2
動作クロック 3.0GHz 2.8GHz 3.5GHz 3.4GHz 3.3GHz 3.2GHz
TurboCORE時
クロック
3.5GHz 3.3GHz - - - -
L2キャッシュ 512KB×6 512KB×6 512KB×4 512KB×4 512KB×2 512KB×2
L3キャッシュ 6MB 6MB 6MB 6MB 6MB 6MB
TDP 125W 125W/95W 125W 125W 80W 80W

CPU-Zでの「Phenom II X6 1075T」のステータス

CPU-Zでの「Phenom II X4 970 Black Edition」のステータス

CPU-Zでの「Phenom II X2 560 Black Edition」のステータス

旧モデルとベンチマーク比較

 ベンチマークはこの3製品と、この3製品のワンランク下になる旧モデルを用意して行なった。Phenom II X6 1055Tは初期のTDP 125Wモデルと現行の95Wモデルが存在するが、今回は現行モデルの95W版と比較している。

テスト環境
CPU Phenom II X6 1075T(3.0GHz)
Phenom II X6 1055T 95W版(2.8GHz)
Phenom II X4 970 Black Edition(3.5GHz)
Phenom II X4 965 Black Edition(3.4GHz)
Phenom II X2 560 Black Edition(3.3GHz)
Phenom II X2 555 Black Edition(3.2GHz)
マザーボード ASUSTeK「M4A89GTD PRO/USB3」(AMD 890GX)
メモリー DDR3-1066 2GB×2
HDD Seagate「ST3160812AS」(160GB)
OS Windows 7 Ultimate(32bit)

使用したマザーボードは、新チップセット「AMD 890GX」搭載のASUSTeK製「M4A89GTD PRO/USB3」

ベンチマークはクーラーマスター製のオープンタイプ式PCケース「Test Bench V1.0」で検証した

Sandra 2010 SP2

 まずは純粋なCPU演算能力とメモリ性能を見てみよう。テストはSandra 2010 SP2のベンチマークから「プロセッサの性能」「マルチメディア処理」「メモリ帯域」の3つだ。演算関係はマルチスレッドをフルに使うため、コア数と動作クロックに準じた数値が出ているが、なぜかPhenom II X4 965 BEのDhrystoneの数値だけやや低い。この数値は参考程度にしておいてほしい。

Sandra 2010 プロセッサの演算パフォーマンス better→

Sandra 2010 マルチメディア処理(単位:Mピクセル/s) better→

Sandra 2010 メモリ帯域(単位:GB/s) better→

(次ページへ続く)

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