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山谷剛史の「中国IT小話」 第59回

山寨機の聖地にして世界最大の“電子街”「深セン」

2009年12月01日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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深センの電子パーツ街「華強北路」

 「深セン(センは土へんに川)」といえば、中国ビジネスに首なり片足なり両足なり突っ込んだ人ならば誰もが知っているといっていいほどの、上海と双璧をなすビジネスの街だ。

深セン電子街地図(赤線が電子街・電脳街の範囲)

深セン電子街地図(赤線が電子街・電脳街の範囲)

 深センは広東省に位置し、香港とは隣り合っていて、香港に通じる(国境ではないが国境のような)ボーダーがある。平均所得は香港マカオを除く中国本土の都市では最高で、すなわち中国ビジネスの代名詞的な上海よりも所得が高い。

 ビジネスの街だけに日本人も数万人規模で駐在しており、日本食屋など日本人向け施設が充実しているほか、西武百貨店やジャスコなど、日本でもお馴染みの店もある。歴史は浅く、何もないところからできた都市なので、街は極めて近未来的で、整理された雰囲気だ。

華北強路

華北強路

 一方で深センの「華強北路」は、世界屈指の電脳街ならぬ電気街ならぬ「電子街」、つまりいにしえのアキバを彷彿とさせる電子パーツの街でもある。

深センの電子街

深センの電子街

ビル全てが電子パーツショップ。この規模のビルが数棟あるのだから恐るべし

ビル全てが電子パーツショップ。この規模のビルが数棟あるのだから恐るべし

「IC買い取り」(収購IC)や、「ICまとめ売り」(批発IC)をアピールする店も

「IC買い取り」(収購IC)や、「ICまとめ売り」(批発IC)をアピールする店も

ICはリールに巻かれて売られているものがほとんど

ICはリールに巻かれて売られているものがほとんど

 香港とボーダーを介して隣り合わせであることから、香港、ひいては台湾から中国大陸にICチップなどの「石モノ」が、大陸側の入口の深センに運ばれる。正規の製品も多いが、一方で本来関税がかかるべきモノに関税を払わず、石モノを荷物に忍ばせる人が後を絶たず、正規流通品、非正規流通品が電子街に大量に流入している。

あまりに懐かしいCPUも

あまりに懐かしいCPUも

例えば「SiS 651」は1個25元(約330円)

例えば「SiS 651」チップセットは1個25元(約330円)

 売られている「石モノ」は、もちろん専門家でない限り見たことのない製品ばかりではあるが、グラフィックチップやCPU、チップセット、メモリーチップなどもアキバでは見ないような形態で販売されていて面白い。

チップセットやメモリーチップも売られている

GPUも単品で販売

GPUも単品で販売

 10月には日本のチップワンストップ(電子部品や半導体のネット通販などを行なっている企業)と韓国の韓国電子情報通信産業振興会、中国深センの華強電子網が、将来的な日中韓の電子パーツのオンラインプラットフォーム構築で協力する発表をしている。将来的には華強北の電子市場で日本や韓国のICチップを今以上に見かけるようになるかもしれない。

 近年は台湾MediaTek社などの半導体メーカーが、MP3プレーヤーや携帯電話の機能を集積したLSIをリリースしたことから、中国の有象無象の中小工場がノンブランドのデジタルガジェットこと「山寨機」をリリースしている。

携帯電話の(液晶やボタンやガワレベルでの)パーツ屋が密集するビルも深センには多数

携帯電話の基盤を扱う店

日本の白ロムケータイを中国向けに改造した店もある。この店の名は「秋葉原」

 その山寨機工場と山寨機市場が深センに集中している。ノンブランドの携帯電話ショップはいくつもの巨大ビルの数フロアに広がりひしめき、ノンブランドのネットブックショップもまた「桑達通訊市場」というビルの1フロアにひしめく。

 そこではMacBookにそっくりなノートパソコンや、ソニーブランドを勝手に冠したノートパソコンなど、怪しげなネットブックが多数販売されている。

デザイン的にグレーなネットブックが多数売られている「桑達電子通訊市場」

デザイン的にグレーなネットブックが多数売られている「桑達電子通訊市場」

桑達電子通訊市場のネットブックフロア

桑達電子通訊市場のネットブックフロア

聞いたことのないメーカーのネットブックが数多く売られている

聞いたことのないメーカーのネットブックが数多く売られている

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