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山谷剛史の「中国IT小話」第90回

中国ネットユーザーが創り出す新しい日本旅行のスタイル

2011年02月22日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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春節商戦の秋葉原
春節商戦の秋葉原

 2月初め、中国では最大の連休となる春節(旧正月)があり、多くの中国人旅行客が日本にやってきて、日本のテレビはそれも盛んに紹介した。

 秋葉原でも中国人観光客を迎え入れるべく、店舗によっては中国人向けに特化したアピールも行なった。中国人の間では日本への旅行は、どう思われているのだろうか。

 中国人の日本での買い物といえば、東京では銀座や秋葉原を想像するだろう。たとえばニュース番組やワイドショーでは連日やってくる中国人にフォーカスを当てていたし、銀座でも秋葉原でも中国人観光客の歓迎をアピールする店も確認できた。

 しかし、ネット上のQ&A掲示板では真反対をいくように、「秋葉原や空港の免税店は高いからやめとけ」「御宅(オタク)族でなければアキバは興味ないところ」「銀座は高いから渋谷で買うべき。大阪に行くなら心斎橋。マツモトキヨシでもいい」といったアドバイスを多く目にした。

 投稿者にとってアキバや銀座は観光地であり、ツアーで連れられるからこそ行くけれど、買い物のメッカではないというのだ。

ネット利用者は日本での買い物を冷静に見る

 中国人は中古商品を嫌がるきらいがあるが、「中国の中古屋での買い物は悲しいかな、トラップが多数潜んでいるが」と前置きした上で、「秋葉原ではソフマップなどCD・DVD・ゲーム・デジカメを扱う中古屋がいっぱいあるから見とけ。日本の中古屋は綺麗で良質、騙しなし」といった、既存の生活概念と真逆をいくアドバイスを見ることができる。

 一方で、「母国での修理を保証するわけでもないのにあえて(日本で)買う必要ないだろ」というアドバイスも散見する。

日本で炊飯器の購入が人気であることを紹介する中国の新聞 日本で炊飯器の購入が人気であることを紹介する中国の新聞

 日本のメディアでも紹介された“日本の炊飯器人気”だが、日本のメーカーの炊飯器は中国メーカーの炊飯器よりも「美味しく炊ける」から確かに人気である。中国では「象印」や「タイガー」といったメーカーの製品も販売されていて、メーカー保証という点からみれば中国で購入する方がいいはずだ。

 しかしながら、日本で売られている炊飯器は種類が豊富で、値段も中国より安い。このため、中国人はメーカー保証がなくても日本観光のついでに購入するようなのだ。

 また、銀座のブランドショップやアパレルショップになだれ込む中国人観光客も日本のメディアでしばしば紹介される。一見すればすごい勢いで購入しそうだが、日本に行く彼ら旅行者による掲示板を見てみると、日本でのアパレルやブランドの買い物についての質問に回答者は「(日本は買い物天国と言われるが)SALEと書いてあるバーゲンセールの商品は安い」「母国にない製品なら買ってもいい」と冷静なアドバイスをしている。

 中国には「一流の商品は日本に、二流の商品は欧米に、三流の商品は中国に」という根拠のない情報が、そこそこ収入のある人々に口コミで広く知れ渡っている。ところが今回記事を書くにあたり、改めてインターネット利用者同士のやりとりを見ていると、対照的に中国で売られている同型番の製品でも問題ない、というスタンスになってきている。

 「買いたいものがあれば買えばいい」「ただし母国より安いか、母国で売ってないもので気に入れば買い」というのがインターネット利用者のスタンスのようだ。実際、筆者の友人である鉄道マニアの中国人は、秋葉原にやって来ても電気製品には興味を示さず、鉄道模型を血眼になって捜していた。

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