最近の中国の本屋やスーパーでは、入口に近くにノートPCやタブレットっぽい商品が置いてある。ガジェット好きならば「なんだこれは?」と目が行き、足が向かうこと請け合い。
電脳街ではあまり売られていない、ノートPCやタブレットっぽいガジェットの正体は、子供の学習用コンピューターだ。日本では子供のおもちゃ売り場で売っているフルキーボード&アナログモニターの製品、あれの中国版である。
アジア各国に行くたびに現地の街のおもちゃ屋やショッピングモールのおもちゃ売り場を見るけれど、中国ほどハイテクな学習用ガジェットは発売されていない。
中国の学習用ガジェットは大きく分けて2種類ある。本を開いてタッチすると音声で読んでくれる「点読機」と、「学習電脳」ないしは「学習機」と呼ばれるノートPC型やタブレット型のガジェットだ。
以前こそ学習電脳と称してもQVGA(320×240ドット)クラスの液晶を搭載した製品しかなかったが、最近ではWSVGA(1024×600ドット)の10.1型タッチパネル付き液晶や、XGA(800×600ドット)の9型液晶を搭載する製品も各社から登場。「しょせん子供だまし」とはいえないモノとなっている。
中国のハイテク学習機がどこまで進んでいるのかは次回紹介するとして、今回の記事では、現在人気のノートPC型学習機を紹介したい。
中国の一般家庭では結構お高い?
話題の学習機「快易典」を買ってみた
紹介するのは「快易典」という学習機メーカー大手の「T8」というモデル。店員に「画面が広く、教育コンテンツが山盛りで売れ線だよ」と言われたので購入した。
子供向けで、リリースされてしばらく時間が経っている製品にも関わらず、1800元(約2万2000円)となかなか値段は高い。所得のが上がっている都市部住民でも、ほぼ月収が飛んでしまう額である。
決して価格が高すぎる勘違い製品ではなく、これでも多くの家族連れが興味を持って見ているあたり、中国人は子供の教育に金を落とすのだなーと思うところである。
Windows CEベース? 謎のスペック
まずは下の動画を見てほしいのだが、とにかく起動が速い。一瞬で立ち上がる。立ち上がって、すぐにソフトも利用できる。
それでいて公称のスペックは謎に包まれている。IT系ポータルサイトの紹介でもオフィシャルサイトのスペック表でも書かれているのは、「32ビットCPU」「800×480 タッチパネルTFT液晶」「32GBまで対応のmicroSDHCカードスロット」「容量1650mAhのバッテリー」「USB2.0コネクター」のみ。
ファイルマネージャーもあったのでそれ使ってストレージの中身を見てみると、Windowsの何かを構成するようなファイルがあり、ディスクサイズは8GBと書かれている。
ただ、テキストエディターのようなアプリは搭載されていないので、ファイルの中身を見ることができない。そこで同社の学習機の搭載技術を調べていくと、提携先企業「iFLYTEK」のWindows CE向け学習機向け音声システムが載っていることがわかった。
iFLYTEKはAndroid学習機向け音声システムを最近リリースした一方、これまでのWindows CE学習機向け音声システムの実績も多数あり、多くの学習機にWindows CEが搭載されているようだ。
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