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山谷剛史の「中国IT小話」 第91回

中国でデスクトップPCを修理する(前編)

2011年03月07日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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電脳街には看板に「維修」と書かれた修理屋が並ぶ

電脳街には看板に「維修」と書かれた修理屋が並ぶ

 個人的な話になるが、筆者のデスクトップPCの調子が悪くなった。いくらOSを入れ直してもシステムが安定しない。中国では都市部と言っても、日本より埃っぽいため、PCケースやCPUや電源など、ファンというファンへ埃があっという間に吸着してしまう。そして、放っておくとファンを傷つけ、異音が発生するようになったり動作不能になったりする。

 いろいろ調べた結果、どうもマザーボードの問題ではないかと思った筆者は、タワー型PCを抱えて路線バスに揺られて電脳街へ向かった。

中国ではあらゆるジャンルの修理屋が身近に

 中国の製品は、今も昔も故障・不具合と隣りあわせだ。故障しやすい製品に囲まれているからこそ、修理するという習慣が身近にある。中国のユーザーとしては、メーカー保証は「お客様を大事にしているという証のひとつ」であり、必要不可欠なものである。

修理屋はPCだけではなく、あらゆるジャンルである。製品が壊れやすいからこそ修理屋や修理技師はありふれている(左は白物家電の修理屋、右はカメラや時計の修理屋)

 しかも、メーカー保証期間が終了した後でも、壊れて買い換えることはなく、修理屋に依頼して製品の延命措置を施すのが中国では一般的。中国製品の寿命は短いが、中国人は高価な製品を買って長く使おうとするわけだ。

 修理のニーズがあることから、どこの住宅地にも家電を直す“よろず修理屋”があるし、最近は電脳街にあったPC修理屋が、PCの普及に伴い電脳街の外にも進出してきている。

Amazon中国で「ソニー 修理」で検索すると、ソニーのテレビ修理本がヒットする

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「輸入テレビの修理」という本。この本ではソニーや東芝、LG、フィリップスを扱っているようだ

「輸入テレビの修理」という本。この本ではソニーや東芝、LG、フィリップスを扱っているようだ

 書店に行けば家電の修理本コーナーがあり、そこには「ソニーのブラウン管修理マニュアル」「中国メーカーの液晶テレビ修理マニュアル」などといった、特定のメーカーの非公認修理ガイドブックが売られている。

PCの修理マニュアルは毎年多数出版される

PCの修理マニュアルは毎年多数出版される

 PCのハードウェア本もあるが、個人の自作ユーザー向けではなくPCショップの店員向けが多い。ショップブランドPCを組んだり、買い取った中古PCをメンテナンスするので、PCショップにはしばしばPC修理本が置かれている。

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