「パーツを購入して、ついでにショップ店員にパーツを交換してもらおう」と目論んで、中国内陸の某都市の電脳街にデスクトップPCを持って行った筆者(前回記事「中国でデスクトップPCを修理する(前編)」参照)。
どうせ買うなら中国メーカーのパーツが欲しい、ということで、中国で最もメジャーな中国ボードメーカーの「七彩虹」のマザーボードに交換し、電源も埃がかなり詰まっていることから、最もメジャーな中国電源メーカーの「金河田」の電源か電源付PCケースに交換しようと、電脳街のパーツ売り場で両社の代理店を探した。
電脳街のランドマーク的ビルのPCパーツフロアでPCを抱えつつフロアを歩くと、右から左から「うちで修理しなよ」「お兄さん!修理!!」とパーツショップ(メーカー代理店)からの声がかかる。
そんな誘いを断り続け、七彩虹のマザーボードの代理店を見つけるや、気のよさそうな店員と円卓を囲み商談開始。言い忘れたが、外国人が商談したところで日本人の性で、すぐに折れてしまう。そこで、中国人の友人を引き連れて、粘り強く、数千円の製品について10円単位での値引きを行なうべく商談を開始した。
鬼のような交渉を展開
知人はノートPCを広げ、3G通信カードをつなぎ、相場を調べて店員に見せつつ交渉、という鬼っぷり。チップセットをキーワードに「百度中国」で検索すると、各IT系ポータルサイトの価格比較コンテンツが引っかかる。
中国では北京の「中関村」を筆頭に、各省都に電脳街が存在するため、価格比較コンテンツでは各都市での相場が書かれている。そこで知人は、内陸某都市にいるにも関わらず「七彩虹のAMD780Gマザーは399元(約5500円)が相場だ」と“北京価格”を押しつけるが、相場は値引き前の提示価格なのか、ショップ側はあっさりとそれを受け値引きをする。
鬼というべきか。知人はさらにオンラインショッピング最大手「淘宝網(TAOBAO)」にアクセスし、280元(約4000円)で販売されていることを知り、その値段+送料程度の価格で販売すべきだ、と圧力を加えた。
しかし無念かな、むしろ申し訳ないかな、ショップ店員は悲しそうな顔で首を横に振り続けた。筆者的には「もういいじゃないか」と妥協したくもなるが、これが中国におけるデキる人の交渉術であれば、電脳街のショップ(どころか、あらゆるリアルショップ)も商売あがったりなのは頷ける。
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