中国では、上海や北京のようなリッチな地域を除いて、自作PCがメーカー製PCよりも人気だ(関連記事)。
最近では日本でも「格差社会化が進んでいる」と言われるが、中国は日本どころでない格差社会である。リッチな人間はアップル製品だ、ソニー製品だとブランドモノに走る。一方で「将来への投資のため、どうしてもIT製品が欲しい!」という月収2万円未満の人々もいて、彼らは、中国メーカーの製品や、自作 PCをはじめとしたノンブランドマシンをやむなく購入する。
簡単に言えば「ブランドを持っている人は偉い」という、かつての日本のような風潮が中国ではあるのだ。
中国でブームとなった「山寨機」
所得の少ない人々のためのノンブランドなIT製品といえば、今まではデスクトップPCやMP3プレーヤー(関連記事)だった。しかし、今年に入り中国語で「山寨機」と呼ばれるノンブランドの携帯電話機やデジカメが登場した。
山寨機はブームになり、IT誌にも大きく取り上げられた。これはデジタルガジェット好きの間での小さなブームにとどまらず、(特に携帯電話機については)国営テレビCCTVで取り上げられるほど、一般的な生活シーンの中に溶け込んでいる。
ノンブランド携帯電話機の特徴としては、「自作だし税金も納めないので安価」「多機能」「豊富なデザイン」ということが挙げられる。反面、ネガティブな面としては「製品に保証が付かない」「欠陥品が多い」「製品の消費電力と電池の電力の不一致からくる安全面での不安」「デザインが自由ということからメーカー製ケータイのパチモノが多いこと」が挙げられる。
簡単に言ってしまえば、(未保証ながら)「人気の外国メーカー製ケータイにそっくりな多機能ケータイが安価で買える」わけだ。

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