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近接した端末同士をつなぐLAN
近接した端末(コンピュータ)同士の相互に接続する構内ネットワークをLAN(Local Area Network)と呼ぶ。家庭内や会社のフロアなどに設置されている端末同士で構成されたネットワークは、すべてLANといって差し支えない。
LANに参加した端末同士は、さまざまなサービスやアプリケーションを利用できる(図1)。会社でファイル・プリンタ共有のサービスを利用すれば、ある端末のファイルをネットワーク越しに編集したり、LAN上のプリンタを共用することができる。また、グループウェアのようなサービスを用いれば、ユーザー同士でスケジュールや連絡帳を共有することが可能になるし、売り上げデータを端末からデータベースに送ったり、電話で音声通話を行なったり、といったサービスも実現される。
さらに、LANはルータ*1と呼ばれるネットワーク機器を用いることで、インターネットや他のLANなど異なるネットワーク同士と接続することも可能だ。こうすれば、フロアや家庭内に留まらず広い範囲の端末と通信することが可能になり、さまざまなアプリケーションを利用できる。
*1:ルータ IPパケットを他のネットワークに中継するため機器で、LAN同士やインターネットとの通信を可能にする。詳細は3回目以降で解説する予定。スイッチの必要性とは?
LANはこうしたさまざまなサービスの基盤であり、端末を有効活用するのに必要不可欠といえる。
こうしたLANを構築するのにもっとも利用されているネットワーク機器が「スイッチ」である。では、なぜスイッチが必要なのだろうか? たとえば、2台の端末で通信する場合、物理的な接続形態としては、単にケーブルを介して、両者をつないでしまえばよい。端末Aと端末Bがケーブルの両端につながっている、いわば糸電話方式である。
しかし、3台以上の端末で通信する場合には、ケーブルを1台ずつつなぐのは面倒だ。端末の台数が増ると、ケーブルも増え、追加も煩雑になる。そこで、複数台の端末をまとめることで、各端末が簡単にネットワークに参加できるようにした「集線装置」が今回説明していくスイッチである。
ユーザーの端末から見ると、スイッチは前述したようなさまざまなサービスへの入口になる。LANで提供されているファイル・プリンタ共有や、他ユーザーとのコミュニケーションを促進するツールの利用、インターネット上にある各種のWebサービスなどを、スイッチ経由で利用することができるのだ。
また、スイッチはユーザーの近くで使われているだけではなく、企業や通信事業者などでも用いられている。サーバ同士をつなげたり、WAN経由で他の拠点と通信できるようにしたり、いろいろな場面で使われている。
(次ページ、「スイッチの外見を見てみる」に続く)
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