日立電線は「1Gのコストで、10Gを」を実現するボックス型スイッチ「Apresia13000-X24-PSR」「Apresia13100-48X-PSR」の2機種を発表した。国産の信頼性と低廉なコストを軸に、10Gbps Ethernetへの移行を強力に推進する。
高密度な10GbEボックス型スイッチ

シャーシ型スイッチと比べたコスト競争力をアピールするネットワークエンジニアセンタ副センタ長/件マーケティンググループマネージャ 末永正彦氏
今回発表された両製品は、ボックス型スイッチにより低価格で、信頼性の高いコアネットワークを実現するという同社の「BoxCore」のコンセプトを体現したもの。企業のサブネットやサーバ集約といった用途において、10ギガビットEthernet(10GbE)の導入を促進させるのが大きな目的という。その点、日立電線はスイッチだけではなく、10GbEなどのインターフェイスで用いられるトランシーバ自体も自身で開発している。10GbEのインターフェイスがSFP+(Small Form factor Pluggable+)にほぼ統一され、さらに小型化や低消費電力、そしてコストなどの要件が揃ってきたことを受けて、こうした10GbE対応製品の充実を図ったという。
今回発表されたApresia13000-X24-PSRは、光ファイバ対応の10Gbpsポートを24ポート搭載した1Uのボックス型スイッチ。
インターフェイスに1GbE(1000BASE-X)のSFPとの互換性を持つSFP+を採用しているため、1Gbpsと10Gbpsの光ファイバ規格(10GBASE-R)を混在できるのが大きな特徴。この「デュアルスピード対応」により、1GbEから10GbEへのスムースな移行を実現する。その他、1000BASE-X対応のSFPを2ポート、銅線1000BASE-T対応ポートを2ポート搭載。電源はPSR(Power Supply Redundant)という型番の通り二重化構造となっており、電力消費量も最大240Wに抑えた。
同じく1Uボックス型スイッチのApresia13100-48X-PSRは銅線の1000BASE-Tポートを48ポート、1000BASE-X対応のSFPを4ポート、さらに10GBASE-R対応のSFP+を4ポート搭載する。
合計52ポートのデータ通信用ポート(コンソールポートは除く)を搭載する高いポート収容密度が大きな売りとなっている。こちらの電力消費量は最大190Wになっている。
「1Gのコストで、10Gを」というコンセプトの元、価格競争力の高さも訴求する。Apresia13000-X24-PSRは従来のシャーシ型10GbEスイッチに比べ、約7割以上価格を抑えられるという260万円を実現。Apresia13100-48X-PSRも160万円となっている。ただし、電源やレイヤ3ライセンスは別売になる。
SFP+モジュール付きのケーブルも提供
また、SFP+モジュールを両端に取り付けたダイレクトアタッチケーブルの提供も開始する。SFP+モジュールがケーブルと一体化しているので、メタルケーブル並みの容易な扱いが可能になり、距離も1、3、5、7mと自由に選択できる。また、銅線でのスイッチ間・サーバ間接続で用いられてきた10GBASE-CX4の1/10のコストが実現するという。
今回の新製品は2009年の8月末に出荷開始の予定で、6月8日からスタートするネットワークの総合イベント「Interop Tokyo 2009」にも出展される。
