好みの分かれるデザイン
入力ではdynabook UXが有利?
デザインの違いを見てみよう。どちらも樹脂製の外装で、LOOX Mはいわゆるピアノ光沢の塗装仕上げ(底面は黒色)、dynabook UXは光沢パネルと細かな凹凸ストライプのカバーを使い分けたツートンカラーとなっている。
デザインは好みの問題だと思うが、個人的にはdynabook UXのサテンブラウンのほうが高級感があるデザインで、傷も付きにくいと感じた。ただし、持ち運ぶ際に心配になるディスプレー部天板の耐圧性能では、LOOX Mは全面加圧200kgf、一点加圧35kgfの加圧試験をクリアしているという(dynabook UXは未公開で不明)。
ディスプレー部分だが、どちらも後部にバッテリーを配しているためか、開閉角度は両者とも130度となっている。ラッチレスであり、開閉強度やぐらつきなどは似たようなもの。ヒンジ部分に若干の違いがあるものの、構造的なものかデザイン面での違いかは不明である。
LOOX Mとdynabook UXの違いを最も印象付けているのが、キーボードであろう。LOOX Mは本体よりも一回り小さな標準タイプのキーボードで、右側キーがやや小さいがメイン部分はキーピッチ17.2mm(ストローク1.5mm)を確保する。一方dynabook UXは、キーとキーとの間にスペースを設けたスクエアタイプのキーボードを採用。こちらはキーピッチ19mm(ストローク1.6mm)となっている。
キーピッチ/ストロークの違いでも明らかなように、文字入力に関してはdynabook UXのほうが圧倒的に優位である。ファンクションキーは小さいのだが、数字キーと左のわずかなスペース、カーソルキー間のスペースが設けてあり、打鍵圧やクリック感も申し分ないものであった。ただし、キートップとベース間に隙間があるため、ホコリや細かなゴミが入らないよう気をつけるべきだろう。
タッチパッドに関してもdynabook UXに高得点を与えたい。LOOX Mに比べて、dynabook UXのほうが1.5倍ほど広く、センサーの感度も良好だ。マウスボタンの配置は両者ともパッド下部で使いやすいのだが、ボタンの固さは異なる。使い込むうちに馴染むのだと思われるが、LOOX Mのボタンはあまりに固く、ここでもdynabook UXが優秀である。
差別化しにくいネットブックにおいて、どの部分でコストを削減し、どこに注力するかは非常に重要だ。その点、dynabook UXで力を入れたポイントは間違っていないと言える。
ディスプレーやスピーカーを比較
続いては、出力面で液晶ディスプレーやインジケーター類、スピーカーといった出力面を比べてみよう。
液晶ディスプレーは、LOOX Mが10.1型ワイドの1024×576ドット表示、dynabook UXも10.1型の1024×600ドットのWSVGA表示。どちらも光沢パネルを採用する。表示解像度では、LOOX Mがアスペクト比16:9で、dynabook UXは16:10といった違いがある。使い勝手では当然ながらWSVGAが有利だ。
発色性はどちらも申し分ない。LOOX M側の液晶ディスプレーに若干青みがかっているようにも感じるが、これは調整可能であろう。どちらも左右視野角は比較的広く、斜めから見ても発色はあまり損なわれないのもよい点だ。光沢パネルのため、外光の反射が気になるところだが、どちらもかなり反射するので、両者の違いはそれほど感じなかった。ベゼル部分に光沢パネルを採用したdynabook UXの方が、反射がやや気になった。
使用中のインジケーターランプについても見比べてみた。LOOX Mは本体右上に電源ボタン兼ランプ、手前左に各種インジケーターランプを配する。一方dynabook UXは、中央に電源ボタン兼ランプがあり、右手前にインジケーターランプがある。奇をてらった製品の場合、インジケーターランプがやたらと目立つものが多いのだが、LOOX M、dynabook UXともにそれほど悪目立ちはしていない。
サウンド出力関係も見ていこう。両機種ともHDオーディオ対応をうたい、Realtek製HDチップを搭載。同社製のエフェクトツールが付属する。そのため、ヘッドホンで聞く分には違いはないが、内蔵スピーカーで音を出すと、LOOX Mの方が圧倒的に音がいい。それもそのはず、ネットブックとしては珍しく、LOOX Mはステレオスピーカーを内蔵するのだ。このクラスとしては低音もしっかり再現されており、好感が持てた。
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