インテルが90ナノメートルプロセスで2次キャッシュ2MBを内蔵する注目の新CPU、コードネーム“Dothan”を5月半ばに発表して以来、その高い性能と低消費電力を生かしてデスクトップPCを作る試みが活発化している。対応マザーボードやベアボーンが続々リリースされる一方、旧Pentium Mコア“Banias”時代には、秋葉原全体でもパッケージを扱うショップは2、3店だったのに、Dothanは、モノによっては10店以上ものショップが在庫を持っている。
Dothanはどれほど高速なのか。使い勝手はどうか。デスクトップPC用CPUとしてもやっていけるのか。
BaniasやDothanを使ったPentium Mマシン自作ガイドが、現在発売中のアスキープラス7月号の特集『静音パーツスーパーカタログ』のPART2としてまとめられています。このほか、アテネ仕様の超テレパソ作り、GeForce 6800 vx RADEON X800、19インチオーバーディスプレイ選びなど、ボーナスの使い方をナビゲートする製品ガイドが満載! 29日には次号の発売なので、買うなら今週末まで。お買い求めはお早めにどうぞ! |
モバイルP4-3.45GHz相当!?
発表によれば、Dothan(新Pentium M)1.7GHzの性能は同クロックのBanias(旧Pentium M)よりMobile Markで約10%高速で、モバイルPentium 4-2.6GHz比では実に25%アップになるという。クロック換算なら実にモバイルPentium 4-3.25GHzとなる。Dothanは最高2GHz版まであり、こちらに至っては33%高速だというから、クロックにするとP4-3.45GHzということになる。
dothanの発表会のプレゼンテーション。Pentium MシリーズはPentium 4よりバッテリ寿命が長く、パフォーマンスも高い。 |
クロックだけから見れば、昨日発表されたPentium 4-560(3.6GHz)に次ぐ高性能ということになるが、「モバイルPentium 4」の3.45GHzは、そのままデスクトップのPentium 4と並べるわけにはいかない。なぜなら、
1. デスクトップのPentium 4はFSBが800MHzだが、モバイルPentium 4は400MHz
2. デスクトップのPentium 4は、デュアルチャネルPC3200が基本だが、モバイルPentium 4はシングルチャネルPC2700が基本
3. デスクトップPentium 4にはHT(ハイパースレッディング)があるが、モバイルPentium 4にはない
というふうに、性能面でデスクトップ製品に差をつけられる要因が多数あるからだ。
そこで、本稿ではまずPentium Mプラットフォームの現実、BaniasとDothanの性能差について触れ、後半ではデスクトップ機との性能対決を行う。