ソニーマーケティング/カシオ計算機
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今年最も“戦略的”なカメラの登場?
プレス向けイベントで配布されたCyber-shot Uのパッケージ。本物の「Bookmark」(しおり)と付箋が入っている。箱は外側がスウェード張りの高級感あふれるもので、新品の靴のような心地よい匂いがする。Cyber-shot Uでソニーが何を目指そうとしたのかがよくわかるパッケージだ。 |
「ソニーにまたやられた」という感じの製品が登場した。
「Cyber-shot U/DSC-U10」は、MDプレーヤと同じぐらいの日常性をデジタルカメラに持ち込んだ製品といえる。そう言ってしまうのは簡単なのだが、これが、ある種の“迫力”を感じるほどの“可愛さ”なのである。
こういった商品をデザインするのはソニーにとっては、朝飯前のことだろう。しかし、その一方でソニーほど自社のアイデンティティ──それは、新しい市場を自ら作り出して、その先頭を走り続けなければならないという使命──に対して、正面から取り組み続けている企業もない。この可愛さは、“理屈抜き”ではなく、むしろ戦略的なとらえ方をしたほうがよいのではないか?
デジタルカメラのユーザー層が、MDとほとんど同じようなところまで来ていることは、新宿のカメラ店の店頭を見ても明らかである。富士写真フイルムの「FinePix」の一連のスリムモデルや、東芝の「SORA」といったファッション性を前面に押し出した製品が好調なセールスを示している。
表1 現在市販されているコンパクトデジタルカメラ一覧 |
さいわい、デジタルカメラという分野は、光学技術や画像処理などのノウハウを含むという点で、いまのところ日本メーカーが“技術で勝負”できる数少ない領域ではある。もっとも、それはパソコンなどに比べればの話で、デジタルカメラでも、特にヨーロッパなどでは台湾勢が伸びてきているという。
銀塩の一眼レフカメラで人気を分けるキヤノンやニコンは、そのプライドを感じさせるラインナップを展開している。これは、銀塩カメラメーカーの戦い方として、1つの答えなのは間違いないだろう。
そして、もう1つ日本メーカーの戦い方があるとすると、それは、ブランドとブランドを納得させるモノ作りではないかと思う。
Cyber-shot Uは、いまデジタルカメラに一般のユーザーが感じ始めているエッセンスを、すべて吸収して消化してみせたプロダクトといえる。“このブランドのこの商品を買うのがうれしい”と感じさせるということだ。
そうでなければ、ここまで“凶悪に可愛い”カメラを作れるはずがない。
Cyber-shot Uよりも一足先に発売されたカシオ計算機の「EXILIM(エクシリム)」は、ソニーのCyber-shot Uほどの“ピンポイント爆撃”ではないが、これも、背広族、電遊族には、たまらない仕上がり製品となっている。
カジュアルでアクセサリ的な要素も持つ「Cyber-shot U」とビジネスにも違和感ない落ち着いたデザインの「EXILIM」。携帯性に関しては優劣が付けがたいが、丸みを帯びたCyber-shot Uはファッションの一部として首から提げて、EXILIMはスリムさを生かしてスーツのポケットに入れるのがいいのではないか。 |