小型軽量で、普段使わないようなゴテゴテとした付加機能がまったく用意されていないのは好感が持てる。まさに撮るためのカメラ。
『BAD』
実売2万5000円というのはちょっと高い。おもちゃデジカメと低価格機の間を狙うのだったら、1万5000円で出してほしかった。
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●高速な起動 前面のスライド式のレンズバリアが電源のON/OFFと連動している。起動は約1秒と速くストレスは感じない。/●単焦点でもAF機能を内蔵 レンズは35mmフィルムカメラ換算で33mmの単焦点AFを使用している。/●ライトな感覚な2色 ボディカラーは、写真の「シルキープラチナシルバー」と「メロウパールピンク」の2色が用意されている。 |
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●必要なボタンだけを配置 ボディ上面にはモード切り替えボタンとシャッター、電源スイッチの3つしか配置されていないシンプル設計だ。 | ●反射型液晶モニタを使用 屋外ではバックライトを消灯して、バッテリの消耗を防ぐことができる反射型液晶を使用。ただ残念なのは、再生時に拡大機能がないため、ピントを確認できないところ。 |
130万画素クラスの低価格デジカメと、35万画素CMOSを搭載したおもちゃデジカメの間には深い溝が存在する。おもちゃほど安っぽくなく、低価格デジカメほど多機能ではないモデルは存在しない。ソニーはこのニッチな市場を狙った。低価格で、携帯性に優れ、かつ機能的には、おもちゃデジカメ以上、低価格デジカメ未満。この答えが「DSC-U10」(以下U10)なのである。
考えてみれば現行の超小型ノートPCである「PCG-U1」も同じようなコンセプトの製品だ。ハンドヘルドPC以上B5ノート未満――ニッチといえばそれまでだが、確実にユーザーが存在する部分である。どうやら「U」という型番は、そういった微妙なポジションを目指しているようだ。
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●バッテリは単4ニッケル水素×2 バッテリ室のふたを開けると、単4ニッケル水素バッテリ×2本とメモリースティックが現れる。本体には単4ニッケル水素バッテリ用の充電器が付属する。 | ●サイズはタバコの箱の約半分 タバコの箱と並べてみた。横幅はタバコの箱とほぼ同じで、高さは半分強となっている。バッテリ込みの重量でも約118gとなっており、かなり軽量である。 |
さて、そんなコンセプトを念頭に置きつつU10を触ってみると、意外な良さに気づく。まずは起動の速さ。前面のスライド式のレンズカバーを開けてから撮影可能になるまで約1秒。搭載されているレンズが単焦点ということを考慮に入れても、この速さには驚く。また、単焦点レンズながらAF機能を搭載している。おもちゃデジカメにありがちなパンフォーカスレンズではないのがうれしい。搭載されている液晶モニタに目を移すと、省電力化を考えてか反射型液晶を使用しているのがわかる。フロントライトが搭載されているので、暗所での撮影も可能となっている。全体的にボディは安っぽい作りではあるが、搭載されている機能は低価格機に比肩する。
価格はオープンプライスで、実売価格は2万5000円前後。ソニーはU10を「常時携帯し、日常を画像でメモする”ビジュアル・ブックマーク機”」と称している。まさに言い得て妙。U10の使い方をひと言で表すいい言葉だ(なお、撮影サンプルについては、こちらのレビュー記事をご参照いただきたい。)。
Cyber-shot U DSC-U10の主なスペック | |
製品名 | Cyber-shot U DSC-U10 |
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撮像素子 | 1/2.7インチ有効130万(総130万)画素Super HAD CCD |
レンズ | 単焦点オートフォーカス、f=5mm(35mmフィルムカメラ換算:f=33mm)、F2.8 |
シャッタースピード | オート |
記録媒体 | メモリースティック |
記録画素数 | 1280×960/640×480ドット |
液晶モニタ | 1.0インチ反射型TFT(フロントライト搭載)、約6.4万画素 |
動画記録 | 160×112(最長15秒、MPEG1) |
インターフェイス | USB(mini-B) |
電源 | 単4電池×2本(アルカリ乾電池、ニッケル水素充電池) |
本体サイズ | 約84.5(W)×28.6(D)×39.8(H)mm |
重量 | 約87g(バッテリなし) |
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