カシオ計算機の「G.BROS. GV-10」は、防水・防塵・耐衝撃仕様のタフネスボディを装備し、夏の海や冬のゲレンデなど、撮影シーンを大幅に拡げてくれるデジタルカメラだ。
G-SHOCKのカシオならではのヘヴィデューティ仕様
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海や山に持って行ったときに、不意の水没といったアクシデントに対応できるのはありがたい。 |
最大の特徴は、防塵・防水・耐衝撃性を持つ点だ。JIS防水保護等級7級(防水)および6級(防浸)準拠というボディは、いかなる方向からの水の噴流を受けても、水深1m(静水)に30分放置しても浸水しないほか、75μm以上の塵埃が内部に入らないという防塵保護6級にも準拠している。耐衝撃性に関してはとくになんらかの基準を満たしているというわけではないものの、内部のユニットがフローティングマウント(ボディフレームに対してゲル素材で浮かして装着)されているほか、外装はグラスファイバー強化樹脂製ボディと衝撃吸収素材のプロテクタを配置するなど、かなり凝った作りになっている。レンズは強化ガラスで保護されているほか、レンズ/液晶モニタともに若干奥まった位置に配置されて落下時にぶつける可能性を減らしている。電池/CFカード挿入部や、インターフェイス部に関しても、ゴムパッキン付きの蓋とロック機構により、浸水しないようになっているので安心だ。
操作部に関しても、レバーやダイヤルはカチッと回るしっかりとした作りになっているほか、ボタン類はプロテクタの凹み内に設けられてプロテクタ面よりも高い部分はなく、不意の落下などでスイッチ類が壊れることも少ない。
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フラッシュやレンズ、光学ファインダなどはプロテクタから奥まって配置されており、壊れにくいデザインとなっている。ボディカラーとして、写真の「スプラッシュブルー」(本体がシルバー/プロテクタが青)に加え、黒いボディと赤いプロテクタの「ジーレッド」モデルが用意される。 |
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本体の両側面。右側面(右)全体は電池およびCFカードスロットの蓋であり、二重のロック機構が付いている。左側面(中央)にもコネクタ類の蓋にロックがある。左はコネクタカバーを開いたところで、パッキンによる防水構造が分かる。左側面の上側のレバーはマクロスイッチ。 |
肝心の撮影機能の方は、同社の「QV-2400UX」「QV-2900UX」などと同様のインターフェイスを採用し、基本的な操作ボタンはフラッシュモード/デジタルズーム/ホワイトバランスの3つのボタンと、シャッターボタン手前にある2つの選択(左右カーソル)キーというシンプルな構成だ。撮影はプログラムAEのみで、マニュアル要素は左右カーソルで露出補正が行える程度に限られる。
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アウトドア向けのベストショットメニュー。「スプラッシュ」と「ゲレンデ」。セットアップメニューなども基本的にカタカナ表記となる。 |
- ポートレート
- フラワー
- 風景
- 夜景
- モノクロ
- セピア
といった一般的な設定のほか、
- ペット
- シルバー
- エンジン
- サンセット
- シルエット
などのアウトドアユースを前提とした本機ならではの設定(QV-4000で付属のCD-ROMで利用可能)が最初から登録されており、
- シーサイド
- スプラッシュ
- ゲレンデ
- ターン
- ハイキー
- ノイズ
- ポップ
といったGV-10で新規に追加されたメニューもある。
ベストショットはいろいろな撮影シーンに合わせた設定を初心者でも使えるので、かなり使い勝手のいい機能であるが、GV-10の場合は若干初心者向けにしすぎたきらいがあるように感じる。とくに、各モードではどのようにプログラム露出をシフトして、シャープネスや彩度をどう変更しているのかがどこにも表示されない(マニュアルにも表記がない)のが気になる。マニュアル露出機能を持たないカメラとはいえ、どの設定でどのように露出や設定が変更されるのかを知っておいたほうが安心して使えるはずだ。そのためにも設定の詳細が欲しかった。
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右側面部のロックを外して開けると電池4本が並ぶ電池スロットと、CFカードスロットが現れる。 |
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シャッターボタン手前の+-ボタンなど、QVシリーズでおなじみの操作性を継承する。3つ並ぶボタンの中央はデジタルズーム(2倍)。 |
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大きめのモードダイヤルとレバー式の電源スイッチが目立つ背面。液晶モニタには撮影時のステータスを表示している。 |
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本体にはリリースバックル付きの大きめのハンドストラップと、ラバー製のレンズキャップが付属する。 |
