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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第23回

個人サイトは「数十年」続けて成功?──「僕の見た秩序。」の行く先

2008年04月28日 17時00分更新

文● 古田雄介

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打たれても沈まない杭


── 人気サイトになると、どうしても避けられないのがアンチの発生です。僕秩。も結構目の敵にされていますよね。

ヨシナガ 送っていただくメールを見る限り、いっぱいいると思います。


── 僕秩。の場合、著作権違反の問題がよく攻撃の論拠にされていますね。

ヨシナガ そうなんです。昔はネットで検索した画像をそのまま引用掲載していたんですが、ある時期、僕秩。で使われている全画像を調べて、問題があるものを全版権元に知らせるという人が現れたみたいで。当時でも4000〜5000点あったんですが、それ全部を調べて。

 そうしたら、僕のところに色々な版権元から一斉にお叱りのメールが届いて、最終的にはそういう画像がまったく使えない状況になったんです。ファンの弁護士の方から「引用での使用は問題ないのでは」とアドバイスもいただきましたが、個人が複数の企業を相手にするのはちょっとしんどくて…。

 結局、画像の無断使用ではなく、サイトに張ることが許されている画像、マンガや有名人の写真を載せたい場合は、書店サイトで売られている本の画像を探して、その本のアフィリエイトリンクを貼った状態で掲載することにしました。この方法を採ったところ、一番厳しく抗議していた版権元からもとりあえずメールが来なくなりなしたね。

著作権のレポート

僕秩。内には、「個人サイトの画像利用について」という著作権を巡る問題の詳細な経過レポートも(テキストサイト風に)掲載している


── なるほど。しかし、これは微妙な問題ですよね。版権は尊重すべきである一方、マンガやゲームは二次創作物に支えられて盛り上がってきた側面も否定できない。権利を持っている側もそれを承知である程度は見過ごしているけど、出る杭は打たざるを得ない。ネット文化はそういう微妙なバランスの上に成り立っているので、法整備されない以上は、永遠に続く問題なんでしょうね。

ヨシナガ 難しいですよね。ただ著作権に限らず、すべての面においていつまでも法はネットに追いつかない気はしますけど。

 日記やイラストのように、個人を前面に出してモノ作りをするサイトが終わる一番の理由は、更新する手間とかネタ不足とかそういう問題じゃない気がします。心理的アタックに耐えられるか否か。サイトを始めて1日数万の人気サイトになって、誹謗中傷のアタックが来たときが、多分大きなハードルになっているんじゃないかな……と思います。意地悪や個人情報晒しにどこまで耐えられるかというところが大きいでしょうね。

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