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古田雄介の“顔の見えるインターネット”第26回

変体を繰り返す「13Hz!」の記憶

2008年06月09日 11時00分更新

文● 古田雄介

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 第4回で「ネタフル」のコグレ氏は「似たコンセプトのブログが出てきたとしても、更新している人のパーソナリティーというのがすごく出るので、結局違うものになっていくと思います」と語った。それを端的に証明しているのが、今回お話をうかがった、わくたま氏だ。

 わくたま氏は2003年からニュースブログ「13Hz!」を開始。1年経たないうちにゲーム系のネタ記事でブレイクしたが、その裏で、京都府警の不祥事などを調査して独自の見解を伝えるなど、ジャーナリスト的な姿勢も注目を集めていた。その後、追っていた事案を通して、「悪徳商法?マニアックス」のBeyond氏と親交を深くするなど、論客としての存在感を増していく。

 この特殊な進化は意図的なものではなく、本人も「ブログを運営する意味を考えたら……根本のところは今も分からないですねぇ」と語っている。しかし、それぞれの時期、それぞれの記事にわくたま氏のカラーが強く反映されているのも確かだ。顔の見えるインターネット第26回は、ニュースという二次ソースを扱う中で見えてくる管理人の個性について掘り下げてみたい。

13Hz!

 13Hz!はオタク系ニュースブログという位置付けながら、ネタ記事と社会派記事、エッセイが混在し、何かと異彩を放っていた。当時で日に2000〜3000アクセスを稼ぐ有名サイトだったが、2007年にある理由で閉鎖。現在は並行して運営してきた「わくたまの『ジャンクな人とモノ』」に、13Hz!のコンセプトを引き継ぎつつ、別のテーマも盛り込んでいる(後述)。




「エロゲー買ったらホモゲーだった」でブレイク


── 13Hz!は色々な側面を持ったブログでしたが、一番最初はどんなサイトを目指していたんですか?

わくたま SEが本職なので、仕事で使えそうな技術のネタを書き留めようと思っていました。ただ、最初期からSEネタは全体の5%程度で(笑)。結局、ネットやゲームなど、興味のあるニュース全般を扱う普通のブログになりましたね。

 ブログを始めた動機も、たまたまココログが開設キャンペーンをしていたというだけですし。初めの頃はアクセス数も1日100〜200程度で、のんびりやっていました。

わくたま氏
わくたま(本名:山本まさき)氏。大学時代は江戸文学を専攻しながら、地元のパソコンショップでバイトの日々を送る。そのバイトの経験がSEの道に繋がった。ちなみに、当時はアキバのPCパーツショップ店員さんに憧れを抱いていたという。いわく「だって、全国のパソコンショップ店員の頂点じゃないですか」

── でも、結構すぐに京都府警の不祥事を追ったりする社会派ブログになりましたよね。

わくたま それもたまたまです。興味深いニュースを見つけたら色々調べたくなる性分なんですよ。開設から半年後だと思いますが、2004年に京都府警の職員がWinny内のウイルスに感染して、個人情報を漏洩させてしまったんです。その後、府警はWinny作者の47氏を逮捕するわけですが、どうも対応に違和感があるなぁと。

 そこで、京都府警の不祥事を調べていって、書き溜めていくという作業を始めました。すると出るわ出るわで、そのうち整理しきれなくなって、別のサイトを立ち上げるまでに至りました。

 ただ、社会派ブログという位置ではなかった気がします。13Hz!が注目されるきっかけになったのは、エロゲーのネタ記事でして。これも同じ時期にアップしたんですが、当時、一部で「はなマルッ!」というエロゲーが物議を醸していました。

 攻略してみるとヒロインが実は男だったというシロモノで、知らずに買ったファンが激怒して、メーカーの掲示板にクレームが殺到していたんです。その事件を報じる際、ちょっとタイトルを工夫して「エロゲー買ったらホモゲーだった」というネタにしたら、結構反響があったんですよ。アクセス数的には、この記事がターニングポイントだった気がしますね。


── かなりの振り幅ですね(笑)。その守備範囲は、現在の「ジャンクな人とモノ」にも継承されているわけですか?

わくたま 基本的にはそうです。ただ、テック総研自体はエンジニアを応援することをコンセプトにしたサイトなんです。なのに、かなり自由に書かせてもらって。SE系の記事はまだ1回もアップしていませんしね(笑)。

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