真のブレイクは20年、30年後?
── そういったハードルを越えても、時代の波という別のハードルがありますよね。正直、今の時代にテキストサイトで人気を獲得するのは厳しいように思います。僕秩。が今もなお、勢いを失わないのは、どんな秘密があるんですか?
ヨシナガ いや、そんな、特に考えていないですよ。別に勢いもないです(笑)。ただ、毎日続けていることがひとつの要因になっているかもしれませんね。
人は誰でも生活リズムがあるじゃないですか。常連さんを作るというのは、その一日のリズムの中に「僕秩。を見る」というのを組み込むことだと思います。一回組み込まれた生活リズムは、外部の変化がない限り、なかなか切れない。毎日更新することで、「今日は僕秩。更新されていないや」という切れる要因を作らないようにできるわけです。そうやって、変わらぬモノを毎日提供しているというのが一因であり、最大の理由なのかなあと思いますね。
── 一度捉えた常連さんを離さない努力ですね。それは今後も続けていくと。
ヨシナガ そうですね。死ぬまで続けていきたいと思います。目指すところはまだすごく遠くて。最後には、自分のキャラクターが街にはびこるようにならないといけないなと思っていて、今はその状況には足下にも及んでいないですから。僕、夢はでっかく持つほうなので(笑)
── 僕秩。を続けることで、キャラクターを世に送る環境を維持するわけですか?
ヨシナガ そうですね。今は、僕秩。をまともに書き始めて6年目になるんですが、最近常連さんが僕にお仕事をくれるということが起きてきているんです。初期の頃から見てくれた学生さんが社会人になって、そういうキャラクター関連の職種についたりして、僕を気にかけてくれるという。そういうことがあると、少しずつ歩いて来たんだなぁ、なんて感じたりしますね。
6年でそうなんだから、仮に30年続いたら、もっと面白いことが起こるかもしれないですよね。今小さい子が大人になったときに僕に仕事を振ってくれるとか、今年社会人になった人が会社の重役になったりとか。
── そう考えると、6年でもまだ若いと…。すごいロングスパンですね。
ヨシナガ そうです。今サイトを辞めるのは赤ん坊を海に捨てるようなものなんです。だから、あまり意識せずに毎日続けなくちゃいけないと思っているし、死ぬまで続けないといけないんだろうなって思いますね。
── じゃあ、真の意味でブレイクするのは20年後、30年後かもしれない。
ヨシナガ もっと先かもしれないですね(笑)。
*次回は5月5日掲載予定
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