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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第23回

個人サイトは「数十年」続けて成功?──「僕の見た秩序。」の行く先

2008年04月28日 17時00分更新

文● 古田雄介

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 個人サイトで得た知名度をどう活用するか? その回答を一番多く示しているのは、間違いなく「僕の見た秩序。」(以下、僕秩。)のヨシナガ氏だろう。

 僕秩。は、古きよきテキストサイトの体裁を続けて累計約1億5000万アクセスを記録。ヨシナガ氏はその超人気サイトを毎日更新するかたわら、EZweb公式サイト「僕秩プレミアム!」を運営し、定期的にトークライブも行なっている。さらに、NTT東日本のフレッツ光キャンペーンキャラクターとして「ヒカリカエル」をデザインするなど企業とのビジネスも好調だ。

 過去の実績を振り返ると、まるで個人サイトの次なる可能性を手当たり次第に探っているように見える(そして多くが成功を遂げている!)。一体、ヨシナガ氏は僕秩。からどんな飛躍を想定しているのだろうか?

ゆかいな誤変換。DX

2005年以降に誤変換ブームを巻き起こした書籍「ゆかいな誤変換。DX」(イーストプレス刊)も、僕秩。の人気コーナーから生まれた。イラストもヨシナガ氏の手による

僕の見た秩序。

 2001年7月から続くテキストサイトの大御所。普段は1日5〜10万アクセスを稼ぎ、「タマちゃん進化論」などのヒットネタが載った場合は1日30〜50万アクセスまで跳ね上がる。ちなみに、ヨシナガ氏は僕秩。を「写真素材サイト」と主張しているが、取材中「まあ、テキストサイトですよね」とも語っていた。




テキストネタはサブ


── まず、単刀直入に。ヨシナガさんはどこへ向かおうとしているんですか?

ヨシナガ 僕の最終目標はキャラクター作りなんです。絵は下手ですけど、基本的にモノを作るのは好きなんですよ。あと、何をやったら自分の満足度や社会的影響が強いのかなと考えたときに、キャラクターに行き着いたんです。

 たとえば、100円ショップで売っているコップも、ミッキーの絵が付いたら500円くらいになったりすることもある。インク代なんで1円や2円の世界なのに。そういう現象はおかしいな、世の闇だなって思っていて、「じゃあ、僕もやってみたい!」と(笑)。ズルいズルいと言うだけなのは典型的な負けパターンなので、僕もそのズルいのやってみようという感じですね。

ヨシナガ氏

ヨシナガ氏。昼は会社員、夜は僕秩。の管理人という二足のわらじを履いている。僕秩。を運営する根本にあるのは、「隙間でもいいから勝ちたい!」という邪念と語っていた


── では、テキストを書くのは言ってみればサブと。

ヨシナガ それが理想型なんですけどね。僕のようなどこの馬の骨とも分からない人が作ったキャラクターを見ても、誰も得しないじゃないですか。

 僕のウェブサイトを見に来て、面白いネタや笑えるネタが載っているとか、人に紹介したら「面白いところ知っているね」と言われるとか、見てくれた人が得をする状況を作っておいて、ついでにキャラクターを見てもらう。そのくらいのギブアンドテイクは絶対必要だと思ったんです。


── しかし、サブでありながら毎日ネタを更新するのは大変じゃないですか?

ヨシナガ 僕秩。と携帯の公式サイトの更新で各30分強、自分の日記の更新で15分だから、1日1時間以上書いていますね。時間にすると結構ありますが、毎日のことなのであまり負担は感じません。ネタ自体は常時100個くらいはありますし。

 確かにキバると続かないと思いますが、僕は65点くらいのクオリティーでネタを書いているので、自分に程よくプレッシャーがかからない状態になっています。


── 短距離走者ではなく、長距離走者の筋肉の使い方って感じですね。

ヨシナガ あ、そうかもしれないです。最初は100点や120点を目指していた頃もありましたが、徐々に長距離型のスタイルになっていきましたね。

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