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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第20回

「アホなだけでは誰も見てくれない」──ココロ社の中の感性と理性

2008年03月17日 12時52分更新

文● 古田雄介

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Wiiが欲しくて気が狂ってしまった男の映像

海外も含めてネットの一部を沸かせた「Wiiが欲しくて気が狂ってしまった男の映像」

 「はてなダイアリー」「はてなブックマーク」など、ネットの一部に独特なコミュニティーを作り上げているはてな。広大なネットの中では「ネット国日本県はてな村」という規模だが、その村で人気を集めてブレイクして、日本県に名を轟かすようになるブロガーも少なくない。

 今回話をうかがったココロ社氏もはてな村育ちの有名人だ。中でもよく知られているのが2006年末にYouTubeにアップした「Wiiが欲しくて気が狂ってしまった男の映像」。Wiiに見立てた豆腐で遊ぼうとする哀愁漂う姿が、海外のユーザーに大受けし、日本県を飛ばしてネット国全体で脚光を浴びた。

 しかし、その本分は荒唐無稽なテキストにあり、ブログとして異例なほど長文のエントリーを今も週1、2ペースで発信し続けている。今回はそんなココロ社氏の心の奥を覗いてみた。

ココロ社

 ココロ社氏が運営するブログ。「東京から45分で行ける日本屈指の清流地帯」や「実録・ネットで叩かれたときの対処法!」など、はてなブックマークが400ユーザーを超える人気エントリーを発信している。実は現在のサイトは3代目で、その歴史は1997年のジオシティーズ版までさかのぼることができる。




3度生まれかわったココロ社


── ココロ社は過去に何度かリニューアルしているそうですが、これまでの変遷を教えてください。

ココロ社 昔から何か発表したいという気持ちがあって、15年くらい前から小説を書いていたんです。文学賞とかに応募していたんですが、黙殺されまくりでして。

 世に出すいい手段は他にないかと考えていたとき、ちょうど「ウェブサイトを作って、皆自由に情報発信できる!」という美しい時代が来たので、僕もパソコンを買ってジオシティーズにサイトを作ったんですよ。

ココロ社氏

ココロ社氏。「ココロ社」を精力的に続けながらも、今後は小説ブログ「わが妻 卑弥呼」に力を注いでいきたいと語っていた。「実を言うと、今は卑弥呼のほうがココロ社の本体なんです」とのこと


── それが1997年に始めた元祖のココロ社ですね。当時から人気があったのですか?

ココロ社 全然です。開設しても1日5アクセスという状態が続きました。来訪者はリアルの友人だったので、それなら直接会って話したほうが早いじゃないですか。アクセス数も増えず、まもなくやる気をなくして、途中で放置してしまいました。パスワードを忘れてしまったので、現在も放置状態です。

 しかし、2001年前後に「侍魂」のようなテキストサイトの時代が到来しました。それらがとても面白くて、僕ももう一度やってみようと今度はドメインまで取得して「ココロ社.com」というテキストサイトを作ったんですよ。

 そのテンションのまま1年くらい経った頃、テキストサイトの仲間がブログを始め出したんです。何かお洒落で気軽に書いている感じがして、僕もお洒落で気軽に書こうと思って、まずはメモのつもりで2003年末にブログを書き始めました。はてなダイアリーを選んだのは、たまたま仲間が利用していたからですね。


── では、現在の「ココロ社」は「ココロ社.com」と並行していたんですね。

ココロ社 そうです。最初は「ココロ社のノート」という名前でやっていたんですけど、1ヵ月も経たないうちに本体のアクセス数を超えてしまったんです。旅行して汚い写真をアップして、ブツブツ言っているだけなのに。そこで、よく分からないけど「ブログってすごい」と思ったんですよ。そこからは、もうはてなダイアリーのほうが本家になって、「ココロ社.com」は更新料を払わないうちにどこかに行ってしまいました(笑)

コロ社(約束の地)

元祖の「ココロ社(約束の地)」は現在も閲覧できる。このころから、すでに顔を出しまくっている

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