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古田雄介の“顔の見えるインターネット”第3回

「日本は本当に広い」──“廃道”に人生を捧げるマンネリ知らずの管理人

2007年07月23日 18時00分更新

文● 古田雄介

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 顔が見えるインターネット第3回のお相手は、“山さ行がねが”の管理人・“ヨッキれん”こと平沼氏。

 “山さ行がねが”は、現役を終えた道路“廃道”のレポートを極めるというウェブサイトだ。今や獣道となった峠や崩落の激しいトンネルなど、まず人が踏み入れない場所に赴き、恐いモノ知らずのレポートを敢行する姿勢に心酔するファンは多い。

 古くから熱心なファンがいる旧線路“廃線”や、2000年代前半のブームで複数の書籍が発行された“廃墟”と比べて、廃道はまだまだニッチなジャンルだが、着実に知名度を上げている。役目を終えて、往来の人がいなくなった道から、どのように魅力的なコンテンツが生まれるのか。「人生を廃道歩きにかけている」という平沼氏に語ってもらった。

山さ行がねが

山さ行がねが

平沼氏が愛用のマウンテンバイクのまたがり、東北や関東に点在する廃道や旧隧道(旧トンネル)を探索した大量のオリジナルレポートを収録している。1日のユニークユーザー数は5000〜7000で、同ジャンルのサイトでは別格。2001年の開設から熱心な読者を増やし続ける、非常に“濃い”サイトだ。通称“山行が”。




廃道歩きのために上京した


── サイトにかける時間はどれくらいですか?

平沼 記事は1日4時間くらい書いています。理想は毎日更新ですが、現状は2日で1本の記事というペースですね。現地レポートは季節によって変わります。秋と春の走りやすい時期は毎週のように走りに行きます。遠征は月1回くらいですね。1回で数個のスポットを回れるように事前調査していきます。


── 相当なペースですが、そうなると近くにある廃道はすぐに制覇してしまう気がします。2007年1月に秋田から東京へ引っ越されていますが、スポットの枯渇が原因ですか?

平沼 いや、数限りないですよ。秋田にいた頃は日帰りか一泊で行ける廃道を巡っていましたが、北東北3県でさえ、5年かけてまだ全部行っていませんから。さすがに近場はなくなってきたなという感じはあったので、関東に引っ越してきましたけど。今の感じだと十何年は関東に居そうですね。それでも全部回れるか分からない。日本は広いです。


── 東京に移ってからお仕事も変わられましたか?

平沼 はい。ただ、私は廃道を歩くということに生活をかけている状態になっていまして。自分の活動にとにかく時間をかけたいから、職場にカンヅメにされる仕事は避けています。安いアパートを借り、少しでも出費を減らして、少ない収入でもやっていけるようにしています。

 アフィリエイトも少しやっているんですけど、ウチの読者はネットで購買するという人が少ないようですね。マウンテンバイクやアウトドアグッズを買う人も少なくて、一番成果が上がっているのは本になります。だけど、サイト収入だけで食べていくというのはないですね。


── 記事によって執筆ペースに差がありますよね。調査の1ヶ月後に最終回したり、2年かけて書いたり。この差は何ですか?

平沼 お金もらって書いているわけじゃないんで、ズバリ自分の書きたいものを書いているだけですね。3〜4時間かけて書いても楽しくないなと思ったら、途中のレポートもストップして、書きたい記事を優先します。読者からは完結してほしいという意見ももらいますけど、申し訳ないと思いながら、わがままやらせてもらっています。

廃道
平沼 義之氏。自室の壁には“廃道”の2文字が貼られていた

(次ページに続く)

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