広角で並び猫をパチリ (コダック『V570』 2006年2月19日撮影)
一番身近な被写体は、自分の飼い猫。二番目に身近な被写体は近所の猫。野良猫だったり近所の飼い猫だったり友達の家の猫だったりのお馴染み猫。お馴染みの猫だとクセもわかってるし、うまくすればなついてくれるので撮りやすい。
でも、偶然であった旅先の猫というのもまた捨てがたいのである。猫はどこにでもいるわけじゃないので……例えば、東京の銀座や新宿、大阪の心斎橋で猫を探すのは困難だということは容易に想像できる。地元の人しか知らない裏路地へいけばいるだろうが、なかなかそうもいくまい。旅先で猫に出会うにはやはり田舎がよい。
旅先猫を撮るときに重要なのは、その猫がいる場所を含めて撮るということ。せっかく旅先で出会ったのだから、旅の風情とともに切り取りたい。
今回の猫たちは、広島県福山市のはずれにある鞆の浦という歴史のある古い漁港で撮ったもの。瀬戸内海の航海に欠かせない“潮待ちの港”としてにぎわったが、それも潮の流れを気にせず船が行き来できるようになった江戸時代まで。今はかなり過疎化が進んでる。でも、おかげで古い街並みが残っていて歴史的、観光的な価値がある。
鞆の浦は山と海に挟まれた細長い土地なので、ちょっと裏へ回ると、家々をつなぐのは細い路地と坂道だけ。車なんてどう逆立ちしても入ってこれないのである。
そんな場所で猫に出会ったら、街並みに溶け込む姿を撮りたい。望遠でアップ、もいいけれども、せっかくなら背景をちゃんと入れた、路地なら路地っぽく、坂なら坂っぽく、田舎なら田舎っぽく撮るべし。
(次ページに続く)
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