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太陽光パネルにスプレー塗装 カラフルな発電建材が街の景色を変える

CEATEC 2026 ネクストジェネレーションパーク探訪(3)

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 CEATEC 2026のネクストジェネレーションパークには、エネルギーの生み出し方や使い方を変えるユニークな技術も集まっていた。建物のデザインに合わせて色を選べる太陽電池、熱の流れを瞬時に捉える新素材センサー、わずかな電力で動く電池不要のデバイス。大学発の研究成果から、建築や産業、身近な暮らしに新しい可能性を広げる3つの技術を紹介する。

黒い太陽光パネルがカラフルに 建物の壁や窓が発電設備になる

 太陽光パネルといえば、黒くて四角いもの。これを建物のデザインに合わせて、好きな色にできたらどうだろう。東京科学大学の和田研究室は、白、ピンク、青、金色など、カラフルなBIPV(Building Integrated Photovoltaics:建材一体型太陽電池)の試作品を展示していた。

 都市部のビルにおいては、屋上だけでは太陽光発電の設置面積が足りないため、外壁や窓などに太陽電池を組み込むBIPV(Building Integrated Photovoltaics)が期待されている。ただし、黒いパネルを壁一面に並べると、建物のデザインが制約されてしまう。色を自由に選べるようになれば、外壁全体を太陽電池にするだけでなく、ベランダの一部にアクセントカラーとして取り入れるなど、建築デザインの幅も広がる。

東京科学大学の和田裕之 准教授(左)と近藤道雄 特定教授(右)

汎用スプレーで着色 発電性能の低下と製造コストを抑える

 そこで課題となるのが、着色による発電効率の低下と製造コストだ。和田研究室が開発したのは、マイカ(雲母)顔料を使った独自の着色技術。特徴は、車の補修塗装などにも使われる汎用的なスプレー塗装の方法で着色できることだ。

 マイカ顔料は、薄い板状の結晶が光を反射する性質を利用している。発電に必要な光はできるだけ通し、色を出すために必要な波長の光を選んで反射することで、着色による発電性能の低下を抑える仕組みだ。見る角度によって色が変わりにくいことも特徴のひとつだ。

 同研究室の近藤道雄氏によると、従来の着色太陽電池では発電性能が20~40%低下するのに対し、開発中の技術では条件によって5%程度に抑えられるという。

 製造コストにも強みがある。従来の着色技術で使われる真空蒸着法は、高価な専用装置が必要で、加工できるガラスの大きさにも制約がある。スプレー塗装なら大きなガラスや曲面にも対応でき、着色コストを従来の6分の1~10分の1程度に削減できるという。

マイカ顔料で着色した太陽電池モジュールのサンプル。塗装の濃さによって発色が変わり、発電性能の低下率は5~10%程度となる

 現在はさまざまな色の試作モジュールを評価している段階で、今後は屋外での長期耐久性試験や量産化に向けた企業との連携を進める計画だ。研究成果をもとにした起業も視野に入れ、着色ガラスや着色基板を中心に事業化を目指している。

わずか0.01秒未満で熱を検知 東大発の新素材センサー

 東京大学発のTopoLogic株式会社は、新素材「トポロジカル材料」を使った熱流束センサー「TL-SENSING」を展示。CEATEC AWARD 2026のネクストジェネレーション賞を受賞した技術だ。

熱流束センサー「TL-SENSING」

 一般的な温度センサーは、熱が伝わった結果として変化する温度を測定する。これに対し、「TL-SENSING」は熱エネルギーの流れを直接検知する。トポロジカル材料の「異常ネルンスト効果」という物理現象を利用し、微小な熱の流れを電圧に変換する仕組みで、0.01秒未満という高速応答が特徴だ。

深部体温を推定するウェアラブルデバイスの試作品。皮膚表面の温度と体から放出される熱の流れをもとに、体内の温度を推定する

 例えばEVのバッテリーでは、表面温度が上がる前に異常発熱の兆候を捉え、熱暴走の早期検知に役立つ。日本特殊陶業株式会社と共同でEV向けセンサーの開発を進めているほか、AIデータセンターの熱管理、電子部品の異常発熱検知、アスリートの熱中症予防など、応用範囲は幅広い。

 半導体製造技術を活用して低コストで量産できることも強みとなり、今後は各分野のメーカーとの協業や技術ライセンスを通じて、実用化を進める方針だ。

電力がたまったときだけ動く 米粒サイズを目指す電池なしセンサー

 青山学院大学のCMOS回路応用デバイス研究室(横式研究室)は、電池を使わずに動く超小型センサーの実現に向けた回路技術を展示していた。目指しているのは米粒サイズのセンサー。ただし、小型化すると大きな電池を搭載できず、太陽電池などで発電しても、得られる電力はごくわずかだ。

 そこで考えたのが、電力がたまったときだけ動く「間欠駆動」だ。太陽電池などで得た電力を小型キャパシタに少しずつ蓄え、十分な量になったら回路を一瞬だけ動かす。まるで「ししおどし」のような仕組みだ。すでに屋外の太陽電池を使い、30分に1回程度、GPSで位置情報を取得する実験にも成功しているという。

小型ソーラーパネルで発電した電力をブレッドボード上のキャパシタに少しずつ貯め、一定量に達するとCPUを動かす「間欠駆動」の実験装置

 たまにしか動かないセンサーで何ができるのか。例えば、植物の生育環境を定期的に調べたり、野生動物の位置を追跡したりする用途なら、これでも十分かもしれない。電池交換なしで長く使えるなら、農地や山の中など、これまで設置が難しかった場所にも活用が広がりそうだ。

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