疲れるとタイプミスが増えるのはなぜ?脳と動きのズレをBMIでつなぎ直す
疲れるとミスが増えるの、なんでだろう
寝不足の日は、やけにタイプミスが増えたり、手が滑って物を落としたりする。これは単なる不注意というより、脳から身体への信号にちょっとしたズレが出ている状態かもしれない。多くは休めば戻るが、このズレが戻らなくなるケースもある。例えば、脳卒中の後遺症では、脳からの信号が一度途切れ、その後もうまくつながらなくなる。では、このズレが脳の伝達の問題だとしたら、手や指の動きを繰り返し練習しても、十分には戻らないのではないか。
脳と動きのズレを、つなぎ直す
こうしたリハビリの限界に対して、脳の側からアプローチしようとしているのが、慶應義塾大学発スタートアップの株式会社LIFESCAPESだ。同社はBMI(ブレイン・マシン・インターフェース)を使い、脳と身体のあいだのやり取りそのものに目を向けている。
人の動きは、脳からの信号と感覚のフィードバックが往復することで成り立っている。ただ、このやり取りは外からは見えず、私たちが見ているのはあくまで結果としての動きだけだ。だから、うまくいかないときも「どこがズレているのか」がわかりにくい。結果を頼りに調整しようとしても、手がかりが少ないという難しさがある。
脳からつなぎ直す、BMIというアプローチ
LIFESCAPESは、この「見えないズレ」を信号として取り出し、修正の手がかりにしようとしている。同社は、医療現場での使用を想定した「LIFESCAPES 医療用BMI(手指タイプ)」と、日常的な機能訓練に使う「LIFESCAPES 機能訓練用BMI(手指タイプ)」を展開している。どちらも、脳の信号と手指の動きを結びつけることで、これまで見えにくかったズレにアプローチするものだ。
具体的には、頭皮の上からウェアラブルセンサーで脳の活動を読み取り、脳卒中で傷ついた部位を迂回するような神経の動きを検出する。同時に、麻痺した手指に装着した電動の装具を動かし、「こう動かしたい」という意思と実際の動きを結び直していく。いわば、脳と手指のあいだに迂回路をつくるイメージだ。こうしたBMIトレーニングをリハビリと組み合わせることで、新たな回路が使われやすくなり、最終的には装置を外した後でも動作につながっていく可能性があるという。
タイプミスは、ただのミスじゃない
手指の動きを脳との信号のやり取りとして捉えると、疲れた日のタイプミスも少し違って見えてくる。単に指の動きが鈍っているというより、脳と身体のやり取りが乱れている状態なのかもしれない。だとすれば、グーパー運動のように手を動かすよりも、まずは脳をしっかり休ませるほうがよさそうだ。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります
































