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業務DXロボットや折りたたみ電動バイクなど、次世代ハードや先進スタートアップが登壇

IoT H/W BIZ DAY 2023 スタートアップショーケース by ASCII STARTUP

連載
IoT H/W BIZ DAY 2023

 2023年10月17日から20日まで幕張メッセで「CEATEC 2023」が開催された。ASCII STARTUPはCEATEC内で、次世代ハードウェアや先進技術の展示会「IoT H/W BIZ DAY 2023」を開催した。

 本記事では同展示会に出展したスタートアップの中から、選りすぐりの4社がピッチを披露した「IoT H/W BIZ DAY 2023 スタートアップショーケース」の模様を紹介する。

世界でも希少なポータブルDJシステム「FJ1」を開発
株式会社ミューシグナル

株式会社ミューシグナル 代表取締役 宮崎晃一郎氏

 ミューシグナルは、ポータブルDJ機器「GODJシリーズ」やフルデジタルスピーカー「OVO」など、革新的なオーディオ機器の開発している。既存のDJ機器は、使用上の制約が多い。たとえば大型で運搬しにくいことや複数の機器を接続するための電源が必要なことなどだ。

 ミューシグナルは2023年11月10日、クラウドファンディングサイト「Makuake」で、新規開発中のポータブルDJマシン「FJ1」の先行予約販売を開始し、見事に1億円超えを達成し終了した。「FJ1」は、A4サイズほどのコンパクトな筐体にスピーカーを内蔵しているほか、ターンテーブルやミキサー、エフェクターなどDJが必要とするさまざまな機能を搭載する。USB Type-Cで充電可能なバッテリー内蔵で、電源がない場所でも使用可能だ。

 ポータブルDJマシンを開発できる企業は世界でもまれとのことで、同社では半導体エンジニアが半導体の選定から手掛けることで小型かつ高性能なプロダクト開発を可能にしているという。代表取締役の宮崎氏は「FJ1のFJはフロム・ジャパン。日本から世界を席巻するDJ機器を開発したい」と語った。

身体運動共有技術で習得コストを削減
株式会社commissure

株式会社commissure 代表取締役CEO 溝橋正輝氏

 commissureは「理解を超えた"できる"を創出する」をビジョンに掲げ、身体運動共有システム「MyoSynth(マイヨシンス)」を開発している。“身体運動共有”とは、たとえばプロゴルファーのスイングを、他者が自分の身体で実際に体験できるイメージだ。マニュアルを見たりやコーチの動きのまねをしたりするよりも、上達スピードを速められるという。

 commissureは教示者と被教示者が、互いの身体運動を触覚で体験できる筋肉間通信を実現した。具体的な使用技術は2つだ。ひとつめは圧力をセンシングしてデータを取得し、触覚を生成する「触覚アルゴリズム」。2つめは“皮膚せん断”と呼ばれる、皮膚を変形、ひねることにより運動の手掛かりとなる感覚を生み出す「触覚提示技術」だ。

 commissureの特徴は自社商品ではなく、企業との共同研究や共同開発によるソリューションの提供を軸としている点だ。今後はスポーツ以外の領域への進出も目指す。たとえばVR領域で、力の感覚や重さを伝える技術により、実物に触れているような感覚を生み出すことなども検討しているという。

玄関に置ける折りたたみ電動バイク「ICOMA タタメルバイク」を開発
株式会社ICOMA

株式会社ICOMA 代表取締役 生駒崇光氏

 ICOMAは、IoTやセンサー、ロボティクスなどの先端技術を駆使して、新しいモビリティやハードウェアデバイスの企画からデザイン、開発までを手掛けるスタートアップだ。IoT H/W BIZ DAY 2023では、折りたたみ電動バイク「ICOMA タタメルバイク」を展示した。

「ICOMA タタメルバイク」は、折りたたむと全長70センチほどになり玄関に置けるため、駐車場の確保が難しい都心部の生活者でも所有しやすい。また側面が平らであるため、イラストによる装飾や液晶の設置など、個性や用途にあわせてカスタマイズもできる。EVであるため、災害時にはポータブル電源としても活用可能だ。

 代表取締役CEOの生駒氏は「我々はバイクメーカーになりたいわけではない。たとえば玄関に置けるバイクを開発したら、どんな可能性が広がるのかを考える工業デザインファームとして、新たなテクノロジーを生み出し続けたい」と語った。今後は自動車メーカーとの共創やモビリティーショーへの出展により、事業の拡大を目指すという。

自社開発のロボットとプラットフォームで現場業務をDX
ugo株式会社

ugo株式会社 事業開発部 部長 中川健太氏

 ugoは業務効率化のためのロボットと、その操作のためのプラットフォームを開発、提供している。労働力不足や感染症対策を背景に、製造や物流、警備などの業界で、省人化や遠隔化、自動化のニーズが増加している。

 業務DXロボット「ugo」とロボット統合管理プラットフォーム「ugo Platform」は、現場の定型業務を効率化する。ロボットの移動経路や現場での業務フロー、業務に適した姿勢などを設定可能だ。エレベーターでのフロア移動もできる。各種設定はノーコードで、直感的かつ柔軟に行える。

 ugoの強みは、ロボットとプラットフォームを自社開発することで、ユーザーの声を素早くサービスに反映できる点だ。事業開発部部長の中川氏は「警備や点検などの現場における実用的なソリューションを展開し、各業界の人手不足を解決していきたい」と語った。

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