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eSportsからリアルレースへ! SUPER GT マッハ号、冨林勇佑選手密着レポ 第17回

SUPER GT最終戦は雨で入賞叶わずも冨林勇佑は実りある1年を過ごす

2023年11月18日 15時00分更新

文● 吉田知弘 写真●加藤智充、末岡大祐 編集●ASCII

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 2023年のSUPER GT第8戦「MOTEGI GT300km RACE GRAND FINAL」が11月4~5日にモビリティリゾートもてぎで開催された。ASCII.jpが応援するeスポーツ選手兼レーシングドライバーの冨林勇佑選手は5号車「マッハ車検エアバスター MC86 マッハ号」(冨林勇佑/松井孝允)をドライブし、予選19番手から粘り強くを追い上げ、一時はポイント圏内まで見える位置を走行。今季初ポイントの可能性も出ていたが、レース終盤の天候変化に翻弄され、最終的に18位でフィニッシュした。

 4月に開幕したSUPER GTは早くも最終戦を迎えた。ここまでの5号車は、トラブルに見舞われるレースが多く、ポイント圏内を狙える走りを見せつつも、悔しい結果が続いてきた。今回の最終戦では、良い形でシーズンを終えるべく、チーム一丸となったレースウィークに臨んだ。

予選では惜しくも1回目を勝ち抜けず

 霧がかかった中で始まった4日の公式練習。ほかの車両とともに周回を重ねて予選への準備を進めていった。しかし、タイムは思うように伸びず、最後の専有走行で1分49秒662を記録するが、トップから3秒遅れの23番手。ライバルのパッケージの方がサーキットやコンディションとのマッチングが良い様子で、今回も苦しい戦いが予想された。

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 午後の公式予選では、松井がQ1を担当。午前中のタイムから2秒上げて1分47秒715を記録するが、Q2進出ラインまで0.3秒届かず10番手に終わった。決勝は19番手と後方からのスタートになるが、今回も変則的な作戦で上位進出を目指した。

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 なお、予選のポールポジションは2号車「muta Racing GR86 GT」が獲得。ここでポールが獲れなければチャンピオンの権利を失うというプレッシャーの中、堤 優威選手が気迫の走りで見事にトップタイムを叩き出した。

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2号車「muta Racing GR86 GT」

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堤 優威選手(左)と平良 響選手(右)

晴れたり降ったりの悪天候に悩まされた決勝

 5日(日)の決勝日は、午前中こそ青空が広がっていたものの、スタート時刻が近づくにつれて分厚い雲が上空を覆い始めていった。

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 スタートスティント担当は冨林。今回は300kmレースで、途中のピットストップは1回すればいいということで、レース中盤まで周回を重ねていった。8周目を過ぎたあたりから、コースの一部で雨がパラつきだしたものの、そこまで雨量が多くなることはなく、スリックタイヤのままで各車ともレースを続行していく。

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 冨林は19周目にピットインし松井に交代。タイヤ無交換作戦で時間を短縮させ、後半スティントに向かった。後半は淡々と走っていく形となるも、徐々に順位を上げて、全体の3分の2を終えた時点では13番手を走行。終盤にはポイント圏内への進出も見えてくる位置につけた。

 今季初のポイント獲得に向けて期待が高まったが、残り10周を切るあたりから再び雨が降り始めた。今度は路面も濡れ始め、一部のマシンはウェットタイヤを求めてピットインする。その中で5号車はスリックタイヤでのレース続行を決断するも、雨のコンディションで一気にペースダウンを余儀なくされて、順位も後退。最終的に18位でチェッカーを受けた。

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◆松井選手インタビュー

 「前のクルマを抜けるまでの感じはなかったにしても、今までの中では一番良かったと思います。その中で、雨は僕たちには厳しかったです」と松井。ポイント獲得とはならなかったものの、自身の中でも新たな収穫があったシーズンだったと振り返る。

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松井孝允選手

 「色々とトラブルがあるなかで、厳しい状況ではあったんですけど、そういう時でもドライバーがなんとかしないといけないというのは、すごく勉強になった1年でした。そういうところが、僕が参戦している色々なカテゴリーに役に立っている部分があります。その意味では、ドライバーとしてはすごく成長できたのかなと思います」

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 「それと同時に、自分としてもまだまだやらないといけないところがあるなと感じました。道具だけじゃなくて、それを扱っているのはドライバー。そういうところを(努力して)やっていかないと、またチャンピオンを獲るというのは厳しいと思いました。もっともっと磨いていかないといけないなと」

 また、eスポーツ出身の冨林と組んだことも、良い経験になったという。

 「コースに出たら、ドライバーがなんとかするしかない。その中で相方の冨林選手をみていても、そういうところを感じました。eスポーツでは、色んなダイヤルをイジりながら走ったりしています。僕は今まで(制御系の)ダイヤルとかも、ずっと固定の状態で乗っていましたけど、そういうところは冨林選手から学ぶところはありました。そういう環境は、すごく恵まれていましたね」(松井)

◆冨林選手インタビュー

 ある意味で“苦戦続き”だったSUPER GTでの2年目を終えた冨林も、最終戦では手応えを掴んでいた様子だった。

 「最後の雨で順位を下げてしまいましたけど、今年の中で一番良いレースができたと思います。ドライのままでいけば、12位くらいで終えられたと思います。久しぶりにポイントを獲れるかなという雰囲気があったので、最後の雨が余計でしたね」と苦笑いたが、「今年は最後までちゃんと走れたのでよかったです」と、どこか安堵した表情もみせた。

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冨林勇佑選手

 改めて、今年1年を振り返った冨林は「ワンシーズンを通じて、難しい状態が続くというのも、なかなかなかったことでした。その中で“こういう事もあるな”と思いながら戦いました。終盤の2戦はトラブルもなく終えられた。みんなと成長できた1年でしたね」とコメント。相方が松井だったことも、本人の成長につながるきっかけになったと語る。

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 「日本で一番86マザーシャシーに乗っている経験がある(松井)孝允君のもとで一緒に走れて、学べることもいろいろありましたし、自信になったところもありました。順位には残らなかったですけど、僕自身の成長につながった1年だったかなと思います。みなさんのおかげで今年は何事もなく終えることができました」(冨林)

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◆チャンピオンは52号車埼玉トヨペットに

 なお、GT300クラスでは、88号車「JLOC ランボルギーニ GT3」(小暮卓史/元嶋佑弥)が今季初優勝。7位に入った52号車「埼玉トヨペットGR GR Supra GT」(吉田広樹/川合孝汰)が、悲願のシリーズチャンピオンを獲得した。

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最終戦を優勝で飾った88号車「JLOC ランボルギーニ GT3」

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88号車の小暮卓史選手(左)と元嶋佑弥選手(右)

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シリーズ後半の連勝で文句ナシの王座に輝いた52号車「埼玉トヨペットGR GR Supra GT」

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52号車の吉田広樹選手(右)と川合孝汰選手(左)

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