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eSportsからリアルレースへ! SUPER GT マッハ号、冨林勇佑選手密着レポ第8回

5号車マッハ号冨林、SUPER GT最終戦は不運なアクシデントで有終の美を飾れず

文●吉田知弘 写真●加藤智充 編集●ASCII

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SUPER GTの1年を総括する最終戦
紆余曲折あったマッハ号冨林選手だったが……

 2022年のSUPER GT第8戦が11月5~6日にモビリティリゾートもてぎで行なわれ、冨林勇佑/平木玲次が駆る「マッハ車検AIRバスター MC86 マッハ号」は、他車との追突アクシデントにより、途中リタイアとなってしまった。

 4月に開幕を迎えた2022シーズンだが、早くもシーズンの最終戦を迎えた。5号車は第3戦鈴鹿で2位表彰台を獲得し、一時はランキング上位に躍り出たが、それ以降はマシントラブルや不運なアクシデントに巻き込まれるなど、ところどころで速さは見せつつも、結果につなげられないレースが続いていた。

 今回の最終戦では、全車がノーウェイトとなるため、これまでサクセスウェイトで苦しめられてきた感のあった5号車にとっては、再びポイントを獲得するチャンスが到来した。そして、何より紆余曲折だった2022シーズンの締めくくりとなる1戦。良い形でシーズンを締めくくるべく、チーム全体も気合いが入っていた。

四輪脱輪がありつつも
予選は無事にQ1を突破

 そんな中、5日(土)から公式練習セッションがスタート。5号車は冨林からマシンに乗り込み、いつも通りマシンとタイヤの確認をしながら、徐々にペースを上げていった。最終的に1分47秒648で20番手という結果になった。ポジションとしては少し下の方となってしまったが、チームの雰囲気は明るく、手応えとしてもQ2に進出できる自信はしっかりあるように感じられた。

 午後の公式予選では、いつも通り冨林がQ1を担当。ここ最近は、彼がどんな状況でもQ1を突破してくるという印象があり、チームもすっかり信頼しきっている様子だった。

 11月のもてぎは、気温・路面温度ともに低くく、ハードなブレーキングポイントも多いため、アタック前のウォーミングアップは非常に重要なものとなる。冨林は、1周ずつ感触と確かめながらペースを上げていき、計測3周目には1分46秒719をマーク。次の周もタイムを上げて1分46秒115でタイムを更新し、6番手につけた。

 今回も難なくQ1を突破したかに思われたが、最終アタックの際に走路外走行(四輪脱輪)があったとして、該当タイムが抹消となってしまう。それでも1周前に記録した1分46秒719で何とか8番手通過を果たし、Q2進出が確定した。

 「朝の公式練習だと、計測5周とか6周しないとタイヤの内圧が上がってこない感じがあって、それだと(時間内に)間に合わないので、とにかくプッシュしていきました。1回目のアタックで46秒7で“これじゃQ2にいけない”と思って、次の周もプッシュしていったんですが、最終コーナーで少しバランスが崩れて、そこで四輪脱輪だと分かりました。みんなごめん! と無線で謝ったんですけど……なんとか通って良かったです」と冨林。

 実は、もてぎでは苦戦する傾向が多く、ドライコンディションではQ1突破もひとつの難関という状況だった5号車。その流れを冨林が覆した。思えば、4月の開幕戦岡山では自らのミスでクラッシュを喫してしまったが、そこから色々なことを学び、その度に自身の成長につなげてきた。それが“ひとつの集大成”として、最終戦のもてぎで出たことは間違いないだろう。

 続くQ2では、平木がマシンに乗り込み、タイムアタックを敢行した。しかし、セッション中に予定が大きく崩れてしまう。ちょうどウォームアップも終わって、アタックに入ろうとしたところで、GT300クラスのチャンピオンを争うSUBARU BRZ R&D SPORTが最終コーナーを立ち上がったところでスピンを喫し、クラッシュ。セッション終盤の大事な場面で赤旗が出されてしまった。

 タイムアタックできていないマシンを考慮して、残り5分に時間を戻してセッションが再開されたが、中断中に冷えてしまったタイヤを再び温め直すには十分な時間とは言えない。その中でも平木は持てる力をすべて出し、1分47秒350をマーク。12番手につけ、入賞圏内も十分に見えるポジションにつけたのだった。

ひとつでも上位を狙う決勝レースが
まさかの追突事故で戦線離脱

 迎えた日曜日の決勝レース。上空には雲ひとつない青空が広がり、気温16度、路面温度27度の中で今季最後のレースがスタートした。

 12番手からポイントゲットを狙う5号車は冨林がスタートドライバーを務めた。スタート直後の混戦でうまくポジションを上げたいところだったが、タイヤの内圧が思うように上がらず、予想に反して苦戦。1周目でポジションを4つも下げて16位になってしまう。

 その後もポジション挽回を目指すが、GT500との混走が始まった9周目のセカンドアンダーブリッジでGT500の1台と進路が交錯してしまった影響でコースオフ。さらにポジションを落としてしまった。

 それとほぼ同じタイミングに、3コーナーでGT500・GT300の合計5台が絡む多重クラッシュが発生。フルコースイエローで各車とも安全なスピードまで減速したのち、セーフティカー先導状態に切り替えられた。

 通常通り、クラスごとの隊列組み直しが行なわれ、全車が1列での隊列走行に入っていたのだが、14周目のメインストレートとで、31号車プリウスが減速しないまま、5号車に追突。2台は大破し、コース上にも多数の破片が散乱した。

 原因は31号車のドライバーがメーター類を見ていたことで、5号車の接近に気づかなかったことが原因だった模様。レース後、ペナルティストップ90秒と罰金10万円という重い裁定が31号車側に下った。

 追突された5号車は、マシンの後ろ半分がなくなってしまったような状態となり、冨林の状態が心配されたが、マーシャルの手を借りて自力でコックピットから脱出。クラッシュ時のGセンサーが基準値を超えていたため、救急車でサーキット内のメディカルセンターに向かったが、約1時間ほどして、元気な姿でピットに戻ってきた。

 ただ、レース結果としては今季初のリタイアということになり、良い形でシーズンを終えることは叶わなかった。

ドライバーコメント 冨林勇佑選手

 あの時は(追突時)、普通に僕も前のクルマの後ろについてタイヤを温めている状態でした。向こう側がメーター類を見ていて、よそ見をしていたとのことだったので……。その後、中山選手も謝りにきてくれて、彼も怪我はないとのことでしたし、僕もところどころ痛いですが、特に骨に異常があるわけではないのでよかったです。ただ、レースとしては残念ですね。

 今回はスタートからタイヤの内圧が上がらなくて、かなり苦しかったですけど、こういう荒れた状況で生き残れば、ポイント獲得のチャンスもあったと思うので残念です。僕としては来年に向けて、今年1年色々と学ばせてもらったので、それを次に活かせるように頑張ります!

ドライバーコメント 平木玲次選手

 今シーズンを振り返ると色々なことがありました。開幕戦のアクシデントから始まって、第3戦の鈴鹿では良い結果を出すことができました。その後、サクセスウェイトが積まれてからは、バランスに苦しんできたところがありました。この最終戦はマザーシャシーと相性が良くないサーキットでしたけど、思い切ってセットアップを変えたのです。それが良い方向に動いていたので、良い形でシーズンを締めくくりたかったですけど……、アクシデントで完走できませんでした。でも、今年学んだ経験を、また来年に活かしていければと思います。

 僕も2人で組むレースで、兄(平木湧也)以外と組むのは初めてでした。冨林選手から吸収することはたくさんありましたし、自分の課題とかも見えてきました。昨年は僕自身、ルーキーのシーズンだったんですけど、今年は2年目で色々考えながらシーズンを過ごせたので、自分にとってもプラスになった1年でした。

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