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eSportsからリアルレースへ! SUPER GT マッハ号、冨林勇佑選手密着レポ第9回

大躍進となった冨林勇佑の2022シーズン! その中で大事にしていた“原点”はeスポーツ

文●吉田知弘 写真●加藤智充 編集●ASCII

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 グランツーリスモ世界チャンピオンを皮切りに、今ではリアルレーサーとして業界内でも注目度が上がっている冨林勇佑選手。彼にとって2022シーズンは大躍進の年となった。

スーパー耐久最終戦で劇的な逆転の末3年連続クラスチャンピオンに輝いた冨林選手(シャンパンかけられ中)

 スーパー耐久では39号車「エアーバスター WINMAX RC 350 55ガレージ TWS」でST-3クラスに参戦し、最終戦で逆転チャンピオンを獲得。同一クラスで3連覇という偉業を成し遂げた。さらにGR86/BRZカップでは、並み居るトップドライバーに勝る活躍を披露。6戦中5戦でポイントを獲得する安定したレース運びをみせ、プロフェッショナルシリーズでチャンピオンを獲得した。

スーパー耐久で冨林選手がドライブする39号車「エアーバスター WINMAX RC 350 55ガレージ TWS」

 そして、彼にとって念願の舞台だったSUPER GT参戦も実現。5号車「マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号」から平木玲次選手と組んで初参戦を果たした。岡山国際サーキットでのデビュー戦では予選でクラッシュを喫してしまったが、そこからレースを重ねるごとにパフォーマンスを上げていき、第3戦鈴鹿では2位表彰台を、最終戦ではチームやマシンや不得意とするモビリティリゾートもてぎで予選Q1を突破する走りをみせるなど、2023年に向けての期待を一身に集めた。

SUPER GTでは5号車「マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号」を駆る

GTデビューイヤーにもかかわらず、第3戦で2位表彰台に上った。左はパートナーの平木玲次選手

 まさに国内トップドライバーへの道のりを順調にかけ上がっている感のある冨林だが、そういう“絶好調”なときだからこそ、大事にしているものがあるという。それが“原点回帰”だ。

 おそらく、現地に応援に来た方々の多くは、スーパー耐久の第6戦岡山と最終戦鈴鹿のピットウォークにZENKAI RACINGのレーシングシミュレーターが設置されていたのを目にしたと思う。最新レースシムのPRはもちろんなのだが、これには大きなメッセージが込められていた。

今“eスポーツ出身”を強調することに意味がある

 「こういう仕掛けをすることで、改めて、冨林はeスポーツから上がってきたドライバーなんだ、ということを、みんなに再確認してもらう狙いがあります」

 そう語るのは、デルタモータースポーツの田中延男代表。確かに冨林がグランツーリスモ世界チャンピオンになったのは2016年のこと。2018年からリアルレースのキャリアをスタートさせ、今ではすっかりバーチャルよりもリアルの方が知名度的にも上回り始めている。

デルタモータースポーツ 田中延男代表

 そんな今だからこそ、冨林のルーツとも言えるバーチャルを前面に出していくことで、「eスポーツから腕を磨いて、プロレーサーになれる」という可能性を、多くの子どもたちに示そうとしているのだ。

 「今、このタイミングで、原点に立ち戻って“冨林はeスポーツ出身のドライバー”ということを、再度アピールしていこうと思っています。やっぱり(ドライバーの成績などが)良い時にアピールしていかないと、(ピークが過ぎた)もっと後になってから、もともとeスポーツ上がりでしたと言っても、誰にも響いてくれないでしょう。冨林が絶頂期に向かっている今ここでeスポーツ出身というのを、証として残すのは大事だと思っています」と田中代表。

 スーパー耐久とGR86/BRZカップでは監督として携わる田中代表だが、SUPER GTの現場にも毎戦帯同し、冨林をサポートするなど、まさに“二人三脚”という雰囲気が感じ取れる。その成果が2022年は最高の形で出たわけだが、田中代表が目指す“冨林勇佑のその先”は、まだまだ果てしないものがある。

スーパー耐久の年間表彰式で表彰された

 「冨林と二人三脚になって、結果を出していって、“eスポーツ上がりでも、(リアルのレースで活躍が)できるんだよ”というのを見せつけるのが、僕たち2人の約束なのでね。でも、2022年のことはすべて通過点としか思っていないです。GR86/BRZカップに関しては、2022年はチャンピオンを獲るためのシーズンを過ごしてきましたけど、今度は勝ちにこだわって、何連勝できるか? というところをやっていきたいと思います」と熱く語る田中代表。

 いつも“有言実行”でレースでは何度も勝利を飾ってきたが、2023年も冨林の活躍から目が離せないような策を考えているようだ。

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