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「PLATEAU AWARD 2022」初代グランプリは実在の街をスノードームで楽しむ『snow city』

「PLATEAU AWARD 2022」最終審査会・表彰式レポート

特集
Project PLATEAU by MLIT

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PLATEAUは新しい世界を創り続ける

 全体の総評として、内山氏は「PLATEAUのプロジェクトが始まって3年目。当初のハッカソンは、3D都市モデルの使い方がよくわからない、Web GISって何? というところのスタートだったが、今回は70作品すべてPLATEAUのデータを非常によく理解して、それをどう使うか、というところにコミットしていることがわかり、日本全体のPLATEAU、Web GIS、3Dに対する技術力が高まっていると感じた。またこの機会でつながったみなさんのコミュニティがPLATEAUの知識やノウハウを日本に広めていくことで、日本のDXや経済力も高まっていくと思う」とコメント。

 松田氏は、「ひとつのデータを使ったコンテストとは思えないほど、ゲームやツール、NFTになりそうなものなど、いろいろな作品があった。昨年までよりうまくPLATEAUを活用したアイデアが生まれているように感じた」と作品の豊富さを評価した。

 小林氏は、「皆さんが楽しんで作品を作っていらっしゃるのが伝わった。今回の皆さんの作品は何かしら街や地域が舞台になっているのが興味深く、これはPLATEAUの大きな特徴。PLATEAUを通じて、みんなが地域に注目し、地域のいろいろな人を巻き込んでいくきっかけにもなる」とオープンデータとしての展開に期待を寄せる。

 ちょまど氏は、「実際にものをつくり、発表するところまで持っていけることはクリエーターとして心から尊敬している。皆さんのような方々がこれからの未来をつくっていくので、これからもがんばってください」とエールを贈った。

 最後に、審査委員長の川田氏は「コンテストの歴史はPLATEAUが世の中に浸透していく歴史。初期はPLATEAUを使うことが前面に出ていたが、今回はPLATEAUをどこに使ったかは問題ではないほど、作品自体が仕上がっており、PLATEAUという技術としての成熟度、皆さんの技術力の成熟度を感じた。これはPLATEAUという一つの技術としての到達点ではないか。3年でここまできた。来年も楽しみ」と述べた。

審査員(左から、川田十夢氏、ちょまど氏、小林巌生氏、松田聖大氏、内山裕弥氏)

 内山氏は、70もの作品から17作品(10枠の予定から拡大)へ絞り込むのが大変だったとコメントしているが、ここまでで取り上げたファイナリストの作品だけでも非常にバラエティーに富んでいる。それぞれが異なる切り口でPLATEAUを利活用する新たなユースケースを目指している。

 PLATEAUにおける2022年度の開発の集大成として開催された今回のAWARD、データのポテンシャルの高さに改めて驚かされた。

 2月末には、PLATEAUのデータ活用がより容易になるPLATEAU SDK for Unity/Unreal Engineの正式版もリリースされている。また、各種開発チュートリアルも整備されており、いよいよゲームエンジンで属性情報を維持したままPLATEAUデータを本格的に扱うことが広がっていくだろう。既存の開発者に加えて、新たなコミュニティも一気に拡大するのではないか。これが、次なる新たな切り口のコンテンツやサービスにつながることを期待したい。

 PLATEAUでは、今後もハッカソンやライトニングトークなどさまざまなイベントが計画されており、来年度のAWARD開催も現在計画段階にある。3D都市モデルを活用した新しい世界の創造、さらなるプロジェクトの発展に期待したい。

審査員の面々と、司会を務めたHMCNの元木昭宏氏(中央右)と井上稚子氏(中央左)

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