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環境、ロボット、DXで課題解決 北九州スタートアップがピッチ登壇

北九州市SDGsスタートアップエコシステムプロジェクト 合同ミートアップ

特集
STARTUP×知財戦略

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オリジナルウェディングを自分でつくれる「ブラプラ」

 株式会社ParaLux 代表取締役・CTOの村田里史氏は、ウェディングをつくるサービス「ブラプラ」を紹介。昨今はコロナの影響でフォトウェディングやウェブ招待状、少人数婚といった結婚式が一般化している。また趣味のスポーツやキャンプなどを取り入れたオリジナルウェディングもトレンドであり、従来の結婚式場では対応しきれなくなってきているという。「ブラプラ」は、プランナー、カメラマン、会場、ドレスなどをアプリで選択して、独自の結婚式を準備できるサービスだ。何を選べばいいのかわからない人向けに、プランナーだけ指名してすべてお任せするプランやAI診断で自動生成する機能もある。費用も従来の式場挙式よりも約35%抑えられ、予算に合わせて自由に内容を調整できるのもメリットだ。

株式会社ParaLux 代表取締役・CTO 村田里史氏

AIカメラを使うための画像データセットを高速かつ精密に生成する「Dataset Generator」

 株式会社Techno.send(テクノセンド)は、九州工業大学発AIスタートアップ。北九州SDGsイノベーション&アントレプレナーシッププラットフォーム(通称KIEPS)のプロジェクトを通じてAIカメラの教師データを短期間で大量に作成するソリューション「Dataset Generator」を開発。Dataset Generatorを使用すると、人手による教師データの作成に比べて、GPUなしで約540倍、GPUありで約1000倍の速度で処理し、従来2ヵ月かかっていた教師データの作成が1時間で完了するという。AIカメラ開発におけるAIエンジニアの確保やデータ収集などのコストを大幅に削減でき、AIカメラの活用が広がりそうだ。

株式会社Techno.send 代表取締役社長 鈴木章央氏

視覚障がい者がひとりで自由に出かけられる歩行アシスト機器「seeker」

 株式会社マリスcreative designは、視覚障がい者向け歩行アシスト機器「seeker」を開発。公共交通には視覚障がい者を誘導するための点字ブロックが設置されているが、実際に点字が読める人は約1割程度だそう。また、横断歩道の音響信号機は設置が少なく、夜間は音が制限されており、多くの視覚障がい者にとって移動は困難なのが現状だ。「seeker」は、メガネ型のセンサーが障害物などを検知し、杖に付けた装置の振動で知らせる仕組み。またAI検知用にエッジAIを開発し、ネット環境のない場所でもスタンドアロンで利用できる。視覚障がい者は、日常生活具給付制度を利用すると、0~2万円の自己負担で購入可能だ。2023年春からAI検知の実証実験を開始し、2024年の量産化を目指す。

株式会社マリス creative design 代表取締役 和田康宏氏

保育園DXで培った業務効率化や安全管理ソリューションを他業種に展開

 株式会社ハピクロは、自社運営の認可保育園用に保育帳票作成や午睡見守りシステム、AIカメラを活用した安全管理ソリューションなどを開発し、保育DXを実践。そこで培った技術を応用し、製造業や食品製造業・飲食業向けのソリューションを展開している。食品製造業・飲食業は慢性的な人手不足のなか、2021年6月からはすべての製造工程を記録するHACCP(ハサップ)による衛生管理が完全義務化され、業務負担が増している。衛生管理の効率化ソリューション「FOOD CAPTAIN - FHMS」は、温湿度や入退室の自動記録機能やHACCPやISO22000等に対応した衛生管理の記録機能を搭載。衛生管理機能に加えて、GMP等の製造管理機能を搭載する「FOOD CAPTAIN - FMMS」もキューサイ株式会社と共同開発中だ。

株式会社ハピクロ 代表取締役社長 中田佳孝氏

手指のように柔らかいロボットハンドの導入で働きやすい現場を実現

 KiQ Robotics株式会社は、人の指のような柔らかい指先(柔軟指)をコア技術に、産業用のロボットハンドを開発している。指先の素材は3Dプリンターで使われるごく一般的な硬質の樹脂製だが、独自の3次元格子構造により柔軟性を実現し、従来のロボットハンドでは難しかったボールや重量物なども把持できる。この特徴を活かし、実験室の試験管を扱うラボオートメーション、工場内のケースを運ぶハンドリングに導入されている。最近では、廃棄物処理現場の自動化に注力し、梱包バンドの回収やペットボトルの仕分けといった選別作業のロボット導入に取り組んでいるそうだ。

KiQ Robotics株式会社 代表取締役 CEO 滝本隆氏

オンラインイベントのクオリティを上げるロボット司会サービス「tender」

 イベントの最後に株式会社HANATABAの代表取締役 柴田啓祐氏が飛び込みでピッチに参加し、オンラインイベントのロボット司会者サービス「tender(テンダー)」を紹介。大小様々なイベント(交流会・会議・1on1)のオンライン化が進んでいるが、オフラインに比べて満足度の低さが課題だ。クオリティの高いイベント進行には事前の設計とファシリテーターが必要だが、小さなイベントには予算やスタッフの確保が難しい。「tender」は、Zoomの画面共有で司会をするロボットで、台本をもとに参加者への指示出しや進行を自動化するサービス。現在は学習塾の自習室運営に導入されており、人件費の削減やスムーズに進行できたなどの効果が得られているとのこと。台本はノーコードで作成でき、今後はさまざまな業界向けの台本を作成し、マーケットプレイスで販売していく計画だ。

株式会社HANATABA 代表取締役 柴田啓祐氏

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