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石川温のPCスマホニュース解説 第145回

契約者23万件減の楽天、今後のシナリオは

2022年08月15日 09時00分更新

文● 石川温

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ソフトバンクとの真っ向勝負に

 「ユーザー基盤を増やしつつ、経済圏を拡大させる」という戦略はソフトバンクも同様だ。

 ソフトバンクは、先日行われた決算会見で、ワイモバイルやLINEMOを含めたスマートフォンの累計契約数が前年同期比で7%増えたと明らかにした。宮川潤一社長は契約者数の増加に熱心なのだが、これも顧客基盤を拡大し、PayPayやヤフー、LINEに送客。ソフトバンク経済圏で稼ぐという戦略なのだ。

 特にPayPayはサービス開始から3年9ヵ月が経過し、事業育成期から本格的なマネタイズに移行しつつある。そのため、ソフトバンクではPayPayを今年10月1日に連結子会社化される予定だ。

 LINE、ヤフー、ソフトバンクの顧客基盤を武器にPayPayでスマホ決済だけでなく、Eコマースやカード、保険、ローン、銀行、暗号資産、レンディングなどお金周りのサービスを利用してもらうことで、新たな成長に繋げるというわけだ。

 ソフトバンクでは、新たに金融事業を一つの柱にしようとしている。

 昨今の通信料金値下げもあって、各キャリアとも通信料金収入は激減している状態だ。そんななか、いかに通信以外で稼ぐかが重要となっている。スマートフォンのユーザー基盤を大きくしつつ、そのユーザーに経済圏にどっぷりとつかってもらい、様々なサービスを使ってもらうという勝負になろうとしている。

 経済圏では圧倒的に成功を収めている楽天モバイルであるが、モバイルの顧客基盤拡大に苦戦している。一方で、モバイルのユーザーは順調に増え、LINEやヤフーといった経済圏は持っているものの、それらの連携はまだこれからというソフトバンク。

 今後、どちらが経済圏とモバイルのシナジーを上手く出せるか。楽天とソフトバンクの真っ向勝負が始まろうとしている。

 

筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)など、著書多数。

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