ソフトバンクとの真っ向勝負に
「ユーザー基盤を増やしつつ、経済圏を拡大させる」という戦略はソフトバンクも同様だ。
ソフトバンクは、先日行われた決算会見で、ワイモバイルやLINEMOを含めたスマートフォンの累計契約数が前年同期比で7%増えたと明らかにした。宮川潤一社長は契約者数の増加に熱心なのだが、これも顧客基盤を拡大し、PayPayやヤフー、LINEに送客。ソフトバンク経済圏で稼ぐという戦略なのだ。
特にPayPayはサービス開始から3年9ヵ月が経過し、事業育成期から本格的なマネタイズに移行しつつある。そのため、ソフトバンクではPayPayを今年10月1日に連結子会社化される予定だ。
LINE、ヤフー、ソフトバンクの顧客基盤を武器にPayPayでスマホ決済だけでなく、Eコマースやカード、保険、ローン、銀行、暗号資産、レンディングなどお金周りのサービスを利用してもらうことで、新たな成長に繋げるというわけだ。
ソフトバンクでは、新たに金融事業を一つの柱にしようとしている。
昨今の通信料金値下げもあって、各キャリアとも通信料金収入は激減している状態だ。そんななか、いかに通信以外で稼ぐかが重要となっている。スマートフォンのユーザー基盤を大きくしつつ、そのユーザーに経済圏にどっぷりとつかってもらい、様々なサービスを使ってもらうという勝負になろうとしている。
経済圏では圧倒的に成功を収めている楽天モバイルであるが、モバイルの顧客基盤拡大に苦戦している。一方で、モバイルのユーザーは順調に増え、LINEやヤフーといった経済圏は持っているものの、それらの連携はまだこれからというソフトバンク。
今後、どちらが経済圏とモバイルのシナジーを上手く出せるか。楽天とソフトバンクの真っ向勝負が始まろうとしている。
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