アメリカン・エキスプレス・インターナショナルは、中小企業の経営者および従業員計600人を対象として「2022年度 中小企業の企業間決済に関する調査」を実施した。
7月20日が「中小企業の日」であったことに伴うもの。調査では、中小企業が支払いを受ける際や、支払いを行なう際に感じている課題など、企業間決済の実態が明らかになった。
企業間決済で課題に感じることは、「与信審査」や「資金繰り」
まずは調査結果を参照しながら、企業間決済の現状を確認しよう。調査結果では、およそ2人に1人が「与信審査」「貸し倒れや支払い遅延」に課題を感じており、支払いをする側も「資金繰り」や「キャッシュフロー」に課題を感じているという結果が示された。
具体的には、支払いを受ける側では54.1%(122票)が「新規取引先の与信審査」に、支払いをする際では55.6%(198票)が「資金繰り」に課題を感じていると回答している。
また、過去1年間の取引先から自社への支払いのうち、支払いの遅延が発生した案件の割合は平均で4.6%となった。そのうち、回収できた割合は平均で78.4%。支払いの遅延が発生した案件のうち、実に21.6%で、代金が回収できていないことがわかっている。回収にあたっては、「営業担当者が連絡し交渉した」(67.6%)ケースが多く、経理だけでなく営業部門も回収業務に携わらざるを得ない状況が浮かび上がっている。
企業間決済の主流は銀行振り込み、カードは少数派
調査では、企業間決済で行なわれている支払い方法についても調べている。取引先から支払いを受ける際に使用している決済方法は、「銀行振込」が89.4%で、圧倒的多数を占めた。「クレジットカード決済(カードレス含む)」での支払いを受けているという回答はわずかに6.2%だった。
取引先へ支払う際の決済方法も、回答の傾向は似通っており、「銀行振込」が94.1%と最も多かった。ただし、「クレジットカード決済(カードレス含む)」の利用も19.6%と、支払いを受ける側よりも利用率が高くなっている。このことから、支払いをする側としてのメリットは認知されていると、同社は分析している。
実際に、各決済方法における「手間」に関する調査では、「手間がかかる」という回答が多かったのは、「手形・小切手(46.3%)」「現金(44.8%)」であり、「クレジットカード決済(カードレス含む)」では、「手間がかかる」という回答が22.7%と最も少なかった。
決済方法に「手形・小切手」「現金」を選ぶ理由としては、「これまでの習慣があるから」が大きな割合を占めており、手間がかかるとは思いつつも、より手間の少ないキャッシュレス体制になかなか移行できない状況も浮き彫りになっている。