ゲーム内で対戦を視聴するだけでもキャラクターを育成できる新たなプレイ体験
日本のスマホゲームの現状を変えたい――ゲームアプリ『フェスティバトル』から見えてくるコロプラの挑戦【開発者インタビュー】
スマートフォン向けゲームを中心に多くの人気タイトルを開発し、『ドラゴンクエストウォーク』の開発など位置ゲーのパイオニアでもあるコロプラ(COLOPL, Inc.)が2014年7月14日にリリースした『白猫プロジェクト』は、シンプルな操作性と本格的なアクションRPGの融合で大人気の本格3DアクションRPG。2024年には10周年を迎え、長期にわたって愛されているタイトルだ。
その『白猫プロジェクト NEW WORLD'S』(白猫)のコロプラと『モンスターストライク』(モンスト)を運営するMIXIがタッグを組んだ『フェスティバトル』が注目を集めている。『フェスティバトル』は、中国や韓国のリッチなコンテンツに対峙できる日本のスマホゲームの強みとして、強力なIP、優れたゲームデザイン、高度なイベント運営力を見せつける。
以下では、本作の開発プロデューサーである角田亮二氏(以下、敬称略)のインタビューをもとに、本作の魅力や今後の展望について紹介していこう。
▼ゲーム開始はこちら!
https://festibattle.jp/rd/?id=46&a=1fo0gxqb
角田亮二開発プロデューサープロフィール
映像制作会社を経て、2012年6月にコロプラに入社。『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』『白猫プロジェクト』など複数タイトルのディレクターとして開発に携わり、白猫スーパーバイザーを務める。また2022年にリードクリエイターに就任。本作では開発プロデューサーを務める。
『白猫』のIPを広げるために企画はスタート
――『フェスティバトル』はどのような経緯で企画されたのか? 立ち上げの背景をお聞かせください。
角田:立ち上げの背景としては、まず弊社の『白猫』IPをさらに広げていきたいというところがスタートでした。これまでも『白猫』IPを広げていくために、『白猫テニス』(2016年7月31日リリース)や『白猫ゴルフ』(2022年10月26日リリース)といった、『白猫』IPを使ったさまざまなゲームを展開してきました。
しかし昨今、『白猫』もマスユーザーの伸び悩み、オーガニックユーザー、つまり自然にゲームを見つけて入ってくる新規層が少なくなっているという現実がありました。コアユーザーの盛り上がりは続いているものの、新たなユーザー層を広げるのは難しいと感じていたのです。
さらに、その前後でコロナ禍という社会の変容もあり、世の中が暗くなった時期が重なっていました。そうした背景の中で、『白猫』IPだけではなく、もっと多くの人に楽しんでもらえるような新たな入口を作れないかと考えたのが、今回のMIXIさんとの取り組みのスタートです。
一方でアジア圏のゲームメーカーの台頭が著しい中で、日本のスマートフォンゲームの現状を変えたいという思いもありました。最終的に『フェスティバトル』というタイトルとし、『白猫』という名前をタイトルから外す決断には大きな覚悟が必要でしたが、国内のIPを持つ企業同士でまとまり、新しい挑戦ができればという思いで決断しました。
また、『白猫』を続けて遊んでいただいているユーザーがいる中で、同じジャンルのゲームを出しても意味がないと思い、『白猫』ファンに喜んでもらいつつ、新しい層を開拓できるジャンルを模索し選定を進めました。その結果、少し異なる方向性として「対戦ゲーム」に舵を切ることにしたのです。
――『白猫』ユーザーにも受け入れられ、新しい興味を持たせるジャンルを考えた結果、『フェスティバトル』が生まれたのですね。
角田:そうです。一番の目的は若いユーザー層を取り込みたいというのがあります。開発をスタートさせたのは5年ほど前。当時、若年層の間で対戦型のマルチプレイゲームが人気になるのではないかという予測がありました。その予測に基づき、モバイル向けのゲーム開発を始めたわけです。
――MIXIとのタッグを組む経緯を、その背景も交えて詳しくお話しください。
角田:『フェスティバトル』開発中だった頃、中国や韓国からリリースされるゲームが軒並み、開発にかかっている金額もコストも桁違いで、まともに戦っても勝てない、というような状況でした。一方で開発中のゲームも「このままでは話題にならない」という感触があり、約1年半前にコンセプトを変更して、そこから一気に今の『フェスティバトル』の開発に進みました。
――そして、MIXIとのタッグという形で『白猫』から少し離れて『フェスティバトル』を始めたわけですが、そのタイミングについて教えてください。海外勢が台頭してきた頃と考えると、どのくらい前ですか。
角田:大体1年半前までは、「このままでは話題にならない」という感触があり、そこからコンセプトを大きく変更する決断をしました。失敗はしないけれども大きな成果も期待できないものよりは、リスクを取ってもいいから飛び抜けた成果が期待できるほうにシフトしようと決断したのです。しかも『白猫』単体でやるよりは、パートナーと組んだほうが投資する価値があるという感触を持ちました。
もちろん、『白猫』IPを残したいという考えもあったので、すべてのIPを捨てるのではなく、コロプラとして主力IPを広げる余地をしっかり残しつつ、一緒に取り組んでくれるパートナーを探すことになりました。
――実際にMIXIに話を持ちかけたとき、交渉は難航しましたか。
角田:MIXIさんも「みんなでワイワイ遊ぶ」というマルチプレイゲームの価値観を大事にされていて、新しい取り組みとして視聴配信機能などを含めて共感していただけたため快諾いただきました。
『白猫』が過去に『モンスト』とコラボした経緯があり、データ的にも『白猫』をプレイしているユーザーの多くが『モンスト』もプレイしていました。そうした意味でも相性が良く、今回のタッグが早々に決まったという流れでした。
――MIXIとのタッグが決まった際、特に東アジアにおけるスマホゲーム市場の勢いをどのように分析し、どのように対峙しようと思いましたか。
角田:海外のゲームは基本的にシングルプレイの非常にリッチな体験を提供しています。しかもゲーム制作にかけられるコストがあまりにも違いすぎます。そのため同じ路線ではなく、我々は別の体験を提供しつつ、取り組みの話題性で勝負するという点を常に考えていました。
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