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脳波計測可能なイヤホン型デバイス 研究開発用に提案

「healthTECH JAPAN 2021」レポート

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脳波(生体電位)計測可能なイヤホン型デバイスを展示

 CyberneXブースでは、脳波(生体電位)計測可能なイヤホン型デバイスを展示し、データの利活用を企画している企業とのコラボレーションの提案を行なっていた。外耳周辺や耳周辺部からのセンシングで従来の脳波計測デバイスと同等の波形を取得できるのが特徴。

 Bluetoothイヤホン機能を内包し、一般的な計測デバイスと比べて日常の中で常に装着できること、今まで計測できなかった状態の脳波を計測できたり、継続的な計測などが可能なことで、研究開発に活用したり、新しいサービスやビジネスに応用できるなどが期待される。

 デバイスの一般販売などは想定しておらず、あくまでも企業の研究開発用としての提案ということだ。

盛り上がる創薬支援AIプラットフォーム

 HACARUSは、スパースモデリングを活用した創薬支援AIプラットフォームの紹介を行なっていた。一般的なAIでは、ビッグデータを元に機械学習によるAI構築手法が取られるが、創薬の現場では十分なビッグデータが集まらない場合もある。スパースモデリングでは、少ないデータを基に解析するのでコンピューターリソースも少なくて済み高速で処理できるのが特徴。

 一方でスパースモデリングが唯一の最適な手法ではなく、求めるデータの解析に応じた手法を取るべきとしている。ビッグデータが良いのかスパースモデリングが良いのか、AIを使わずエクセルで集計した方が良いのかなど、クライアントの求める解析内容に応じた提案が行えるのも同社の強みだ。

 創薬や医療系の診断支援など、スパースモデリングが活かされる(サンプルが少ない)製薬会社や大学の研究室などを対象とした提案となっていた。

 またMOLCUREでも、ビッグデータに頼らないAI解析に提案が行われていた。同社では、AIにも「職人技」が必要として、創薬や実験の知見とAI技術の両方を持つエンジニアが携わることで、精度の高いデータを機械学習させAIの解析精度を向上させる取り組みを紹介。

 実験から解析まで全工程を網羅しつつ、自社ソリューションを部分的に活用してもらうなどニーズに合わせた運用にも対応している。

 そのためのロボットによる実験装置も開発し、実験のバリエーションを増やしたり、属人性を排することで品質を安定させるなど、学習させるデータの品質を高める工夫もしているという。

 単純な機械学習での競争では、多くのデータを集めて、処理能力のあるコンピューターで解析できる大企業が有利になるが、創薬など特定の知見や技術が必要になる分野においては、領域横断した知見を持つエンジニアの勘所こそが肝になると自信をのぞかせていた。

ライフサイエンス分野の研究開発拠点の紹介も

 神奈川県未病産業研究会では、川崎市殿町にあるライフイノベーションセンターや湘南ヘルスイノベーションパークなどのライフサイエンス分野の研究開発拠点の紹介があった。

 県内外からベンチャー企業などライフサイエンス分野の研究開発をおこなう企業、部門に拠点を提供、低廉な利用料で測定機器などが利用できるオープンラボや共創、協業の場やマッチングの場となるセミナーなども開催しているという。

 同種の企業を集約することで、お互いの刺激となったり、コラボレーションなどイノベーションの発展、化学反応が期待されている。

 主な利用者は、大学から発生したベンチャー企業や、化学メーカーからスピンアウトして設立された製薬、研究開発ベンチャーなど幅広く、すでに共創、協業のシナジーも生まれているという。

■関連サイト

healthTECH JAPAN

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