ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第629回
Intel Architecture Day 2021で発表された11のテーマ インテル CPUロードマップ
2021年08月23日 12時00分更新
日本時間の8月19日、Intel Architecture Day 2021がオンラインで公開になった。その内容はこのページのほか、YouTubeでも視聴可能だ。ちなみに全部で2時間16分にもおよぶ長大なセッションで、11ものテーマについて説明があった。
今回はこの概要のみを説明したい。なぜ概要かというと、1つは個別に細かい説明をしていると文量が多すぎること、もう1つはこの後にもっと細かい説明が予定されているためだ。米国時間で8月22日より、IEEEのHotChips 33がオンラインで開催されるが、ここで以下の4つのセッションが予定されている。
| HotChips 33で予定されているセッション | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| セッション | 登壇者 | |||||
| Intel Alder Lake CPU Architectures | Efraim Rotem氏 | |||||
| Next-Gen Intel Xeon CPU - Sapphire Rapids | Arijit Biswas氏およびSailesh Kottapalli氏 | |||||
| Intel's Hyperscale-Ready SmartNIC for Infrastructure Processing | Bradley Burres氏 | |||||
| Intel's Ponte Vecchio GPU Architecture | David Blythe氏 | |||||
またこれとは別にチュートリアルセッションでRavi Mahajan氏とSandeep Sane氏による“Case Study: Intel products built with 2.5D and 3D packaging”が予定されている。そこで個々の詳細はHotChipsでの内容を踏まえたうえで説明することとし、とりあえずは概要だけを説明することにしたい。
さて、まず11のテーマ内容をかいつまんで説明する。文量の関係でMount Evansは後送りとさせていただき、今回はXe HPC&Ponte Vecchioまでを説明する。
| Intel Architecture Day 2021で説明があった11のテーマ | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| テーマ | 内容 | |||||
| Performance Core(P-Core) | かつてGolden Coveとして呼ばれていたコア。Tiger Lakeに実装されるWillow Coveの後継。Alder Lake及びSapphire Rapidsに搭載される。 | |||||
| Efficient Core(E-Core) | かつてGlacemontと呼ばれていたコア。Lakefieldに搭載されていたTremontの後継。Alder Lakeに搭載される。 | |||||
| Intel Thread Director | Alder LakeでP-CoreとE-Coreのスケジューリングを助けるコア。big.LITTlEをサポートする。 | |||||
| Alder Lake | P-CoreとE-Coreの両方を搭載する、コンシューマ向けプロセッサー。Intel Thread Directorも活用される。AMXは非搭載。 | |||||
| AMX | これは連載569回で説明したAMX拡張命令周りの話。Sapphire Lapidsに搭載される。 | |||||
| Sapphire Rapids | P-Coreを実装するXeon向けプロセッサー。AMXは搭載する一方。Intel Thread Directorは未搭載。 | |||||
| Xe Core | Xe HPC/Xe HPGで利用されるXeの基本単位。 | |||||
| Xe HPG | 先日Intel ARCというブランド名が発表された、インテルのディスクリート・グラフィックス第2弾。 | |||||
| XeSS | Xe HPG上で利用可能なSuper Sampling技法。 | |||||
| Xe HPC&Ponte Vecchio | HPC向けGPU。 | |||||
| Mount Evans | 次世代IPU(Infrastructure Processing Unit)。 | |||||
Efficient Core(E-Core)
こちらはTremontコアの後継ということもあり、基本的な構造はTremontによく似ている。ただフロントエンドはよく似ているが、バックエンドは猛烈に拡充されており、もうこれだけ見ていればP-Coreと大差ないのでは? という気になる。
細かい内部構造は後日Alder Lakeのところで説明するが、シングルスレッド性能はSkylake比で40%向上、Multi Thread性能は80%向上すると説明されている。
Performance Core(P-Core)
こちらは以前のロードマップではWillow Coveと説明されていたコアだ。P-CoreはSunny Cove/Willow Coveの延長にあるが、ついにALUが5つに増量され、またLoad/Storeユニットが合計7つというお化け構成になった。
こちらであるが、Rocket Cypress Cove(つまりSunny Coveの14nm版)と比較して、平均で19%のIPC向上が実現された、としている。

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